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海外テニス

アルカラスが2度のVAR判定の末に失点から被ブレーク。悔しい敗戦も「確信が持てなかったから何も言わなかった」<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.03.16

偉大なマイルストーンを目前にした試合でも、素晴らしいスポーツマンシップを見せたアルカラス(右)。(C)Getty images

偉大なマイルストーンを目前にした試合でも、素晴らしいスポーツマンシップを見せたアルカラス(右)。(C)Getty images

 男子テニスの「BNPパリバ・オープン」(3月5日~16日/アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート/ATP1000)では、現地時間3月15日に男子シングルス準決勝を実施。第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク3位)は、第13シードのジャック・ドレイパー(イギリス/同14位)に1-6、6-0、4-6のフルセットで敗れ、大会3連覇の夢を阻まれる形となった。

 立ち上がりから不調だったというアルカラスは、試合開始からわずか23分で第1セットを失うも第2セットはベーグル(無失点)で奪取。勢いそのままに第3セットもという状況の中、誤審から生まれたポイントがアルカラスの敗戦に繋がったのではないかと話題となっている。

 問題のシーンは1-1で迎えたアルカラスサービスの第3ゲーム。15-15の場面で、アルカラスのドロップショットに反応したドレイパーはやっとの思いで追いついたが、主審はこれを2バウンドとみなして「ノットアップ」とコール。これにドレイパーはすぐさま抗議し、ビデオ判定を要求した。

 ビデオ判定の結果、確かに1バウンドで返球していたことが確認され主審はポイントのやり直しを宣告したが、ドレイパーはこれにも抗議。ノットアップとコールされたドレイパーのショットを、アルカラスが返球できていなかった点を指摘し、やり直しではなく自身のポイントであると主張した。
 
 この時、主審のノットアップのコールが返球前のアルカラスの耳に届き、プレーの中断に繋がったと確認されればポイントのやり直しとなるが、更なるビデオ判定の結果、主審のコールが遅かったためアルカラスのプレーには影響がなかったと判断。

 アルカラスも反論することなくこれを認め、ポイントはドレイパーに渡った。その後、このゲームを守り切れなかったアルカラスは、第7ゲームでも被ブレーク。続く第8ゲームでブレークをひとつ取り返したものの、1ブレーク差で敗戦となった。

 最終セットの立ち上がりという重要な場面で、2度のビデオ判定から流れを失ったように思われたアルカラスには同情の声も上がったが、アルカラス自身はこのポイントが試合結果に影響したことを否定している。

「(主審のコールが)ポイントの途中だったのか、それとも僕が返球した後だったのか、僕には確信が持てなかった。だから何も言わなかったんだ。僕が言えることは、彼(ドレイパー)の方がずっと良いプレーをしていたということだけだ。あのポイントは僕のプレーに全く影響しなかったよ」

 ロジャー・フェデラー氏、ノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク7位)に続く大会史上3人目の3連覇という偉業を目前にしていただけに、アルカラスにとっては非常に悔やまれる敗戦となっただろう。そんな中でも、判定を甘んじて受け入れたアルカラスのスポーツマンシップには感服するばかりだ。

構成●スマッシュ編集部

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