男子テニスツアーのATP1000シリーズ「マイアミ・オープン」(3月19日~30日/アメリカ・マイアミ/ハードコート)は現地19日にシングルス1回戦を行ない、元世界ランク13位でケガからの復活を目指すニック・キリオス(オーストラリア/現892位)が登場。予選勝者のマッケンジー・マクドナルド(アメリカ/101位)を3-6、6-3、6-4の逆転で下し、実に約2年半ぶりとなるツアー勝利を飾った。
現在29歳のキリオスは手首をはじめ多くの故障に悩まされ、2022年10月の「ジャパン・オープン」(ATP500)以降、戦線離脱。23年に1大会だけ出場したものの再び長期休養し、今シーズンからツアーに復帰した。しかし「ブリスベン国際」(ATP250)、「全豪オープン」(四大大会)、「BNPパリバ・オープン」(ATP1000)といずれも1回戦負け...。勝ち星のないままマイアミ・オープンに臨んでいた。
マクドナルドとの試合は一進一退の攻防に。第2ゲームでいきなりサービスブレークされたキリオスは、その後一度は追いつくものの、第8ゲームをダブルフォールトによりダウンし、そのまま3-6で第1セットを失う。第2セットはキープが続いた第8ゲームで逆にキリオスがブレークに成功し、6-3で奪回。
第3セットは3-3まで互いに譲らなかったが、第7ゲームで今度はマクドナルドがアドバンテージレシーバーから痛恨のダブルフォールトを犯し、キリオスが値千金のブレークを手にした。そのままサービスをキープしたキリオスが6-4で勝利。13本のサービスエースを含む36本のウイナーを決めたキリオスが、1時間43分の熱戦を制した。
キリオスのツアー勝利は、22年ジャパン・オープン2回戦のカミール・マイフシャク(ポーランド)戦以来のこと。前週のBNPパリバ・オープンでは手首の痛みで1回戦を途中棄権していただけに、喜びもひとしおだろう。「手術を受けて、また勝利の場にいられるなんて信じられない」と試合後の会見で語ったキリオスは、苦しかった日々をこう振り返る。
「個人的に重荷だった。またテニスボールを打てるようになるまでの1日1日のプロセスだけでも、気が狂いそうだった...。そういう時こそ強くありたいけど、厳しかったよ」
手首は完治したわけではなく、試合にはきつくテーピングをした上で鎮痛剤を5錠飲んで臨み、試合後はしびれがあったという。2回戦では第22シードのカレン・ハチャノフ(ロシア/23位)と対戦するキリオス。「明日手首がどうなっているか見てみよう。ここは厳しいからね」と不安を隠さない。
それでも「1週1週を大切にしたい。1年を通してプレーするつもりだし、それでランキングがどうなるか見てみたい。文字通り1日1日を大切にしているんだ」と、テニスへのモチベーションは高く維持している。
過去の対戦成績はキリオスから見て1勝2敗。結果はともかく、最後まで全力で悔いのないプレーができることを祈りたい。
構成●スマッシュ編集部
【動画】キリオスが約2年半ぶりのツアー勝利を挙げたマイアミ・オープン1回戦ハイライト
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現在29歳のキリオスは手首をはじめ多くの故障に悩まされ、2022年10月の「ジャパン・オープン」(ATP500)以降、戦線離脱。23年に1大会だけ出場したものの再び長期休養し、今シーズンからツアーに復帰した。しかし「ブリスベン国際」(ATP250)、「全豪オープン」(四大大会)、「BNPパリバ・オープン」(ATP1000)といずれも1回戦負け...。勝ち星のないままマイアミ・オープンに臨んでいた。
マクドナルドとの試合は一進一退の攻防に。第2ゲームでいきなりサービスブレークされたキリオスは、その後一度は追いつくものの、第8ゲームをダブルフォールトによりダウンし、そのまま3-6で第1セットを失う。第2セットはキープが続いた第8ゲームで逆にキリオスがブレークに成功し、6-3で奪回。
第3セットは3-3まで互いに譲らなかったが、第7ゲームで今度はマクドナルドがアドバンテージレシーバーから痛恨のダブルフォールトを犯し、キリオスが値千金のブレークを手にした。そのままサービスをキープしたキリオスが6-4で勝利。13本のサービスエースを含む36本のウイナーを決めたキリオスが、1時間43分の熱戦を制した。
キリオスのツアー勝利は、22年ジャパン・オープン2回戦のカミール・マイフシャク(ポーランド)戦以来のこと。前週のBNPパリバ・オープンでは手首の痛みで1回戦を途中棄権していただけに、喜びもひとしおだろう。「手術を受けて、また勝利の場にいられるなんて信じられない」と試合後の会見で語ったキリオスは、苦しかった日々をこう振り返る。
「個人的に重荷だった。またテニスボールを打てるようになるまでの1日1日のプロセスだけでも、気が狂いそうだった...。そういう時こそ強くありたいけど、厳しかったよ」
手首は完治したわけではなく、試合にはきつくテーピングをした上で鎮痛剤を5錠飲んで臨み、試合後はしびれがあったという。2回戦では第22シードのカレン・ハチャノフ(ロシア/23位)と対戦するキリオス。「明日手首がどうなっているか見てみよう。ここは厳しいからね」と不安を隠さない。
それでも「1週1週を大切にしたい。1年を通してプレーするつもりだし、それでランキングがどうなるか見てみたい。文字通り1日1日を大切にしているんだ」と、テニスへのモチベーションは高く維持している。
過去の対戦成績はキリオスから見て1勝2敗。結果はともかく、最後まで全力で悔いのないプレーができることを祈りたい。
構成●スマッシュ編集部
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