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海外テニス

元全米女王ラドゥカヌ、マイアミ準々決勝敗退も名手ヘンマンは「ポジティブな要素を得たことは間違いない」と好評価<SMASH>

中村光佑

2025.03.28

2021年の全米制覇以降は鳴かず飛ばずの状態が続くラドゥカヌ(左)だが、同郷の名手ヘンマン(右)は今回のマイアミでの彼女を見て復調の兆しを感じたようだ。(C)Getty Images

2021年の全米制覇以降は鳴かず飛ばずの状態が続くラドゥカヌ(左)だが、同郷の名手ヘンマン(右)は今回のマイアミでの彼女を見て復調の兆しを感じたようだ。(C)Getty Images

 予選から全てストレート勝ちを収めて四大大会初優勝を果たした2021年の「全米オープン」以降、ツアータイトルから遠ざかっている女子テニス元世界ランク10位のエマ・ラドゥカヌ(イギリス/現60位)がようやく復調の兆しを見せている。

 22歳のラドゥカヌは両手首と足首のケガからカムバックを果たした昨シーズン、5度のツアーベスト8を記録(うち1度は4強)。しかし今季は年明けの四大大会「全豪オープン」を含め、ここまでは早期敗退が続いていた。

 それでもノーシードで出場した現在開催中の「マイアミ・オープン」(3月18日~30日/アメリカ・マイアミ/ハードコート/WTA1000)では、1回戦で石井さやか(同188位)に完勝すると、2回戦でトップ10選手のエマ・ナバーロ(アメリカ/同10位)を撃破。3回戦は対戦相手のマッカートニー・ケスラー(アメリカ/同48位)の途中棄権で勝利し、4回戦では第17シードのアマンダ・アニシモワ(アメリカ/同17位)を破って四大大会に次ぐWTA1000シリーズ初の8強入りを果たしていた。

 現地26日の準々決勝でラドゥカヌは、ツアー7勝を誇る世界4位のジェシカ・ペグラ(アメリカ)と対戦。最後まで粘り強く戦ったものの4-6、7-6(3)、2-6で惜しくも敗れ、ベスト4進出はならなかった。

 それでも英スポーツメディア『Sky Sports』でテニスアナリストを務める男子元世界4位のティム・ヘンマン氏(イギリス/50歳)は、ラドゥカヌが今大会で多くのポジティブな要素を得られたのではないかと自身の考えを主張する。
 
「エマは本当に素晴らしい試合をしたが、より優れたプレーをした選手に負けた」と切り出した同氏は22歳をこう称賛した。

「彼女は本当に一生懸命戦ったと思う。最初の2セットは接戦だった。ラドゥカヌが2セット目を取った時は本当によくやったと思ったよ。少し疲れているようには見えたが、ポイントを短くしようともっと積極的になり、ペグラに果敢に勝負を挑んでいた」

「ラドゥカヌが第2セットを取った時はチャンスがあると思ったが、ペグラもハードコートでの経験を示し、レベルを引き上げた。今日はペグラを称えるべきだが、ラドゥカヌがマイアミでの活躍から多くのポジティブな要素を得たことは間違いないだろう」

 今大会の結果により22年9月以来約2年半ぶりのトップ50復帰が確定したラドゥカヌ。この後は4月14日から行なわれる「オープン・キャップファイナンス・ルーアン・メトロポール」(フランス・ルーアン/WTA250)でクレーシーズンをスタートする予定だ。今後のさらなるランクアップはもちろん、近いうちでのツアー優勝にも期待したい。

文●中村光佑

【動画】22歳のラドゥカヌが敗れるも復調の兆しを見せたマイアミ・オープン準々決勝ハイライト

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