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【1日3分間のメンタル強化法 第36回】友との関わりを『論語』から学び、自己の成長につなげよう<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.03.30

一瞬の出会いで人生が変わることもある。自分を磨いて積極的に行動を起こせば、会いたい人と出会えるチャンスが増えていく(※写真はイメージ)。(C)Getty Images

一瞬の出会いで人生が変わることもある。自分を磨いて積極的に行動を起こせば、会いたい人と出会えるチャンスが増えていく(※写真はイメージ)。(C)Getty Images

 テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。

 本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。

* * *

 春は出会いと別れの季節です。仲の良かった友との別れは悲しくもありますが、期待と不安の中での新しい出会いも、それはそれで楽しみなものです。

 人は、その時々の出会いによって人生や考え方も大きく変わっていきます。人生とは、昨日より1ミリでも成長したいと努力することだと思っていますが、成長には友との関わりが大きく影響します。そこで今月のテーマ“出会い「益友と損友」”を考えてみたいと思います。

 これは孔子が『論語』の中で説いている「益者三友、損者三友」です。原文を訳しますと有益な友人には3種類あり、損をする友人も3種類あります。有益な友人とは、実直な友、思いやりのある友、博識な友です。また、損をする友人とは、ご機嫌取りの友、媚びへつらう友、口先だけの友のことをいいます。
 
 もう少し解釈を加えますと、有益な友人は、正直で自分の考えをキチンと示し、時に相手の誤りを正してくれる友人です。友人の間違いを指摘するのは、とても勇気のいることですが、せめて互いの思いやりの心を持って、相手に気付かせることはできると思うのです。

 逆に、人の悪口を言っていたり、口先が巧みで、言うこととやることが違う人は、あまり良い友とは言えません。実際のところ友人との付き合いは、損得だけで測れないのが現実ですが、それはそれで意味のあることだと思います。他者の良いところはお手本として、悪いところは教訓として学べばいいのです。前者を「正面教師」、後者を「反面教師」と呼びます。

 私たちは、うれしい経験が自分を勇気づけ、苦しい経験が人間力を高め、悲しい経験が人への優しさを育むことを知っています。経験が人を育てるのなら、挑戦しない人は経験量が少ないということになります。

 特に若いアスリートたちや指導されている方も「井の中の蛙」にならず、まずは一歩目の行動力を発揮して、現在の日本のトップステージを見聞きしてください。さらに、できれば世界へと目を向けてほしいのです。そこには新しい素敵な出会いがきっと待っているはずです。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2023年7月号から抜粋・再編集

【画像】強靭なメンタルを持つトッププロたちの練習の様子

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