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【伊達公子】「やらないといけないと、わかっていてもできない」から脱却し行動に移そう<SMASH>

伊達公子

2025.04.11

「テニスは自分で考える力が絶対に必要です」と言う伊達公子さん。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

「テニスは自分で考える力が絶対に必要です」と言う伊達公子さん。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

「リポビタンPresents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」のジュニアテニスキャンプでは、ジュニアたちがプロになれる行動がとれるように指導しています。目標がある人にとっては役立つ内容だと思いますので紹介します。

 やらないといけないとわかっていても、できない。こういうことは結構ありませんか? ジュニアたちにも書いてもらいましたが、皆さんも下記のことを書いてみてください。

[1]取り組むべきだとわかっているのに取り組めていない、継続できていないことを5つ書いてください。
[2]どうすれば、[1]を行動に移せるか、継続できるのか、具体的な方法を書いてください。
[3]現時点で継続的に取り組めていることがあれば書いてください。

 [3]は成功体験なので、自分が行動を起こしやすい方法だと考えられます。例えば、私は子どもの頃、ある日突然お箸の持ち方が下手だということに気付いて、2週間で正しい持ち方に変えることに成功しました。これにより、自分で自覚することで行動に移せるタイプだとわかります。それを踏まえて[2]を考えてみましょう。

 方法は人によって違いますので、自分のスタイルを見つけてください。何も考えなければ変化は起きません。考える時間を取って上記3つを書き出すことで、行動に移せる可能性が出てきます。
 
 テニスは自分で考える力が絶対に必要です。ジュニアキャンプを始めたばかりの頃、私は多くの答えを与えすぎていたと感じています。今は、問いかけることで、本人が答えを出せるように心掛けています。問いかけに答えるためには、ジュニア自身が考えなくてはいけませんから。

 振り返ると、コーチの小浦(武志)さんも、多くのことを問いかけてきていたと気づかされます。ポイント練習の時、小浦コーチから「なんでこのコースに打ったのか?」と問われることが多くありました。

 私はなぜそこに打ったのかを答えます。さらにどんどん聞かれることで自分がラリーの中で何を考えてその選択をしたのかを考えるので、狙うコースについて考えたり、もっと他の選択が考えられるようになったり、迷いが少なくなったりするようになります。それが積み重なると、試合の迷った時などに、最良の選択ができるようになっていくわけです。

 問われていなければ、打つコースについて考えることをしなかったかもしれません。「ポイントが取れて良かった」で終わるのか、「こういう理由であのコースに打ったからうまくいった」と理解するのか。同じ1ポイントの練習をしていても、違いが出てきます。テニスの本質を理解するにも、考えることは非常に大事なことなのです。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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