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海外テニス

モンテカルロ初戦敗退のアンベールが「小指を骨折していた」と驚きの告白! 強行出場し「すごく痛かった」<SMASH>

中村光佑

2025.04.09

右手小指をテーピングと固定具でガッチリ固めてモンテカルロ大会に強行出場したアンベール。「医者の許可が下りればプレーを続けたい」と言う。(C)Getty Images

右手小指をテーピングと固定具でガッチリ固めてモンテカルロ大会に強行出場したアンベール。「医者の許可が下りればプレーを続けたい」と言う。(C)Getty Images

 現在行なわれている男子テニスのマスターズ1000シリーズ「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(4月6日~13日/モナコ・モンテカルロ/クレーコート)のシングルスで初戦敗退を喫した世界ランク20位のユーゴ・アンベール(フランス)が、敗戦後の記者会見で衝撃の事実を明かした。なんと右手の小指を骨折した状態で試合に臨んでいたというのだ。

 今大会がクレーシーズン初戦となった26歳のアンベールは、現地8日に行なわれた1回戦で27位のアレクセイ・ポピリン(オーストラリア)と対戦したが、6-3、6-7(2)、4-6で惜しくも敗退。試合後の会見でまさかの発言が飛び出し、報道陣を驚かせた。

「右手の小指を骨折していたんだ。寝室で転んで、テーブルに手をぶつけた。パキッという音がして、骨が折れたのがわかった」

 実はアンベールはモンテカルロ開幕直前にフランス・ニームで開催されたエキジビションマッチ「アルティメット・テニス・ショーダウン」(4月4日~5日)に参加し、そこで同胞のガエル・モンフィス(元6位/現44位)と対戦したのだが、その試合の直前に宿泊先のホテルで右手小指のケガを負ってしまったという。利き腕ではないとはいえ、両手打ちバックハンドの彼にとっては重大な事態だ。

「ちょうどガエルとの試合前のことだった。ホテルで急いでいて、滑って転んでしまったんだ。日曜日の練習では誰にも言わず、夕方6時にボールを打ちに行って、どのテーピングが一番いいか、どうすればプレーできるかを試した。昨日からは固定具を使っている。テーピングだけだと、振動のせいでとても痛かったけど、固定具を付けると楽になった。もちろんバックハンドはカバーしきれないけど、打つことはできたよ」
 
 右手に大きなテーピングを施してプレーしたポピリン戦の最中も患部は「すごく痛かった」とのこと。そんな中でも最後まで諦めずに戦い、敗れはしたものの2時間50分にも及ぶフルセットマッチを戦い抜いたのは驚きだ。アンベール自身もモンテカルロに強行出場したことは全く後悔していないと語る。球足の遅いクレーコートだったのも幸いしたとし、こう続けた。

「今日コートに立たなかったら、もっと悪い結果になっていたと思う。どこまでやれるかを試してみたかった。プレーできたことをすごく誇りに思っている。試合中は一言も“痛い”とは言わなかったけど、クレーコートで助かった。ハードコートだったらプレーできなかっただろう」

「クレーだと時間に少し余裕があるから、フォアに回り込むこともできる。そのためには後方でリターンするしかなかった。そんな感じでプレースタイルを変えることもできる。この試合は今後にも生かせると思うし、医者の許可が下りればプレーを続けたい。毎日様子を見ながらにはなるけどね」

 ケガの完治には少なくとも「3週間の安静が必要」とのことだが、現時点でアンベールは4月14日に開幕するATP500シリーズ「BMWオープン」(ドイツ・ミュンヘン)にも参戦予定。最後にはミュンヘンを選んだ理由について「すごく遅いクレーだから」と説明し、「プレーできないのが一番つらい。たとえ負けても、挑戦したい」と改めて意欲を示した。

文●中村光佑

【動画】右手指を骨折したアンベールがポピリンに敗退...握手も左手で[モンテカルロ・マスターズ1回戦]

【画像】20歳のフィスがアンベールとの親友対決を制し初優勝!|ジャパンオープン2024

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