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海外テニス

四大大会に対する賞金配分増加の訴えに女子1位サバレンカも賛同!「他のスポーツと比べ大きな差がある」<SMASH>

中村光佑

2025.04.16

他のメジャースポーツよりも選手への賞金配分が少ないとされるテニス四大大会。その改善を求める声に女子世界1位のサバレンカも賛同した。(C)Getty Images

他のメジャースポーツよりも選手への賞金配分が少ないとされるテニス四大大会。その改善を求める声に女子世界1位のサバレンカも賛同した。(C)Getty Images

 現在行なわれている女子テニスツアーのWTA500シリーズ「ポルシェ・テニス・グランプリ」(4月14日~21日/ドイツ・シュツットガルト)に出場している世界ランク1位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/26歳)が、現地15日に開かれた記者会見に出席。その中で男女の一部トップ選手が四大大会(全豪、全仏、ウインブルドン、全米)における賞金割合の増加を求めている件について言及し、「もう少し報酬を引き上げてほしい」と声を上げた。

 毎年テニスファンを熱狂の渦に巻き込む世界最高峰の舞台、四大大会。観客動員数はもちろん、放映権料やスポンサー収入、チケット売上、会場内の物販や飲食など、通常のツアー大会とは一線を画すビジネス規模を誇り、各大会は毎年数億ドル規模の収益を上げている。

 ところが、その巨額の収益のうち、出場選手に還元される割合は限られているのが実情だ。例えば、昨年の全仏オープンの推定収益は3億3800万ユーロ(約485億円)だったが、賞金総額は5347万8000ユーロ(約86億円)で、全体のおよそ16%にとどまっていた。海外テニス専門サイト『UBITENNIS』など複数のメディアによれば、他の四大大会でも同様の傾向が見られるという。

 こうした現状を受け、今月初めに男女ツアーのトップ選手約20名が連名で、四大大会において選手に分配される賞金の割合の引き上げを求める書簡を送付。スペインメディア『Punto de Break』によると、そこでは報酬面に加え、「選手の健康」に関する待遇改善の要求もなされたとのことだ。
 
 本サイトでもお伝えした通り、女子ではすでにエマ・ナバーロ(アメリカ/11位)とジェン・チンウェン(中国/8位)が同書簡に署名。男子でもキャスパー・ルード(ノルウェー/元2位/現10位)が、賛否の立場こそ示さなかったものの、現在の四大大会の収益分配は「不公平」とし、よりバランスの取れた配分が必要だと訴えていた。

 今回のシュツットガルトでクレーシーズン初戦を迎えるサバレンカも、選手の待遇改善を求める動きには賛意を示している。会見では率直に自身の意見をこう述べた。

「私たちはもっと高い賞金を受け取るに値すると思う。つまり、私は賞金の配分を増やすべきという声には賛成よ。私たち全ての選手が大会を盛り上げるためのショーを作り上げているのだから、より多くの報酬を受け取るのは当然だと思う」

「他のスポーツ、例えばNHL(北米プロアイスホッケーリーグ)やNBA(米プロバスケットボール)と比べると、私たちテニス選手が賞金を受け取る割合は大きな差がある。テニスは個人競技だし、スポーツを単純に比較することはできないから、あまり言い過ぎたくはないけど、やはり四大大会や他のトーナメントでも、私たちはもっと多くの賞金を受け取るべきだと思う」

 なお送付された書簡について、四大大会側はまだコメントを出していない。今後の動向に注目が集まる。

文●中村光佑

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