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海外テニス

疑惑の電子判定に世界2位ズベレフが抗議!ボールマークをスマホで撮影し「4~5センチもずれていた」と不満<SMASH>

中村光佑

2025.04.28

マドリード・オープンの3回戦を突破したズベレフだが、試合中盤には疑惑のイン判定に対し、ボール跡をスマホで撮影するという珍ハプニングが起きた。(C)Getty Images

マドリード・オープンの3回戦を突破したズベレフだが、試合中盤には疑惑のイン判定に対し、ボール跡をスマホで撮影するという珍ハプニングが起きた。(C)Getty Images

 男子テニスのATPツアーでは今シーズンからボールのイン・アウトを機械が自動で判定する「電子判定」が全面的に導入されている。選手が執拗に審判に抗議をするシーンが減ってきている現状を見ると、その精度の高さがうかがえる。

 しかし現在開催中のマスターズ1000大会「ムチュア・マドリード・オープン」(4月23日~5月4日/スペイン・マドリード)で、その電子判定の精度を疑いたくなるようなハプニングが発生した。事件が起きたのは現地27日に行なわれたアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/世界ランキング2位)とアレハンドロ・ダビドビッチフォキナ(スペイン/同29位)によるシングルス3回戦でのことだ。

 この試合に2-6、7-6(3)、7-6(0)で逆転勝利しベスト16進出を決めたズベレフは、5-4とリードして迎えた第2セット第10ゲームの1ポイント目で、ダビドビッチフォキナの強烈なショットにフォアハンドのスライスで対応。これに対するダビドビッチフォキナの返球をズベレフはサイドアウトだと確信し、プレーを止めた。

 ところが電子コールが下した判定は“イン”。会場のモニターに映し出されたリプレー画像でもボールがサイドラインにかかっていると示され、ポイントはダビドビッチフォキナへと渡った。

 納得のいかないズベレフは「明らかにアウトだったぞ!自分はちゃんと見ていた!」と猛抗議すると共に、主審へコートに残ったボールの跡を目視で確認するよう強く要求したが、主審は「電子システムがそのように判定したのだから受け入れないといけない」と頑なに拒否した。
 
 するとズベレフが思わぬ行動に出た。いったん自分のベンチに戻ってスマートフォンを手に取り、ボールの跡を撮影。これを見た主審はズベレフに“反スポーツマン行為”による警告を言い渡し、程なくして試合が再開された。結局判定は覆らず嫌な流れとなったズベレフだったが、終始我慢強くプレーし、1セットダウンの劣勢を打開して2時間44分の熱戦をものにした。

 そして試合後、ズベレフは自身のインスタグラム(@alexzverev123)のストーリーズ(24時間で自動消去される投稿)を更新し、撮影したボールマークの写真を投稿。

 それを見ると確かに大きくアウトしているように見えるので、ズベレフが猛抗議したのも無理はない。なお同投稿には「撮った写真をここに残しておきたい。これがインなんだってさ。面白い判定だね」と皮肉コメントが添えられている。

 スペインメディア『Punto de Break』によると、ズベレフは試合後の記者会見でも問題のシーンに言及。

「ボールの跡はサイドラインから“ほんの1ミリ”、みたいなレベルではなく、4~5センチもずれていた。通常電子判定は非常に正確だし、信頼できるものだが、あの時は不具合があったと思う」と改めて不満を示し、「僕の主張が完全に正しかったと思っているから、罰金が科されないことを願っている。こんなことでペナルティを受けるべきではない」と切実な願いも口にしたという。

文●中村光佑

【画像】ズベレフが撮影したボールマークの写真

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