男子テニスツアーのマスターズ1000シリーズ「ムチュア・マドリード・オープン」(4月23日~5月4日/スペイン・マドリード/クレーコート)は現地26日に大会4日目を迎え、シングルス2回戦に元世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現5位)が登場。ノーシードのマテオ・アルナルディ(イタリア/同44位)と対戦したが、3-6、4-6で敗れ、3回戦進出を逃した。
この日の2回戦が初戦となったジョコビッチは、ツアー初対決となったアルナルディを相手に32本ものアンフォーストエラーを重ねるなど精彩を欠き、計3度のブレークを喫して1時間41分で力尽きた。
3月下旬の「マイアミ・オープン」(ハード/ATP1000)決勝で敗れ、クレーシーズン初戦となった今月初めの「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(4月6日~13日/ATP1000)では1回戦敗退を喫していたジョコビッチ。ちなみにマッチ3連敗と2大会連続の初戦敗退はいずれも今季2度目となる。
節目のツアー100タイトルに足踏み状態が続いている37歳のレジェンドは、昨年のパリ五輪で「生涯ゴールデンスラム」(五輪と全ての四大大会を制覇)の偉業を達成してから苦戦が続いている印象だが、やはりモチベーションの維持に苦しんでいる様子だ。アルナルディ戦後の記者会見では率直にこう語った。
「モンテカルロよりは1試合でも多くプレーできることを期待していた。これは、自分にとって“新たな現実”だと言わざるを得ない。正直今は大会で上位進出を目指すというよりは、1試合か2試合勝てればいい、という考えでプレーしている。ただこれは20年以上のプロ生活で味わったことのない感覚だ。こうして大会の序盤で負けることが常態化しつつある今、その現実と向き合うこと自体が、自分にとって大きなチャレンジになっている」
今大会のポジティブな点としてジョコビッチは「モンテカルロや他の大会よりも試合を楽しめたこと」を挙げるが、テニスのレベル自体は「まだ自分が望む水準には達していない」と言う。またこれまで何度も跳ね除けてきたプレッシャーの感じ方も「今までとは異なる」とし、コート上で良い精神状態を保つことが難しくなってきたとも明かした。
「プレッシャーはこのスポーツ、そして最高のレベルで戦う上では常につきまとうもので、なくなることはないが、今は以前とは違うプレッシャーを感じる。おそらく他の選手たちも同じだろうが、コートに立つたびに、緊張やストレス、そして興奮を感じる。正直言って、競技に出ることそのものが少し難しくなってきたのは事実だ」
さらには以前まで否定してきた今季限りでの引退も現実味を帯びてきたとまで続けた。「もう選手としてマドリードに戻ることはないかもしれない。今回がここでの最後の試合になることは願いたくないけど、可能性はある」
達観したように「これがキャリアというもので、いずれはこういう時が来ることもわかっていた」と絞り出したジョコビッチ。憎たらしいほど強かった彼が、このまま終わってしまうのか...。復活を信じて待つファンは多いはずだ。
文●中村光佑
【動画】ジョコビッチが初戦敗退!「マドリード・オープン」アルナルディ戦のハイライト
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3月下旬の「マイアミ・オープン」(ハード/ATP1000)決勝で敗れ、クレーシーズン初戦となった今月初めの「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(4月6日~13日/ATP1000)では1回戦敗退を喫していたジョコビッチ。ちなみにマッチ3連敗と2大会連続の初戦敗退はいずれも今季2度目となる。
節目のツアー100タイトルに足踏み状態が続いている37歳のレジェンドは、昨年のパリ五輪で「生涯ゴールデンスラム」(五輪と全ての四大大会を制覇)の偉業を達成してから苦戦が続いている印象だが、やはりモチベーションの維持に苦しんでいる様子だ。アルナルディ戦後の記者会見では率直にこう語った。
「モンテカルロよりは1試合でも多くプレーできることを期待していた。これは、自分にとって“新たな現実”だと言わざるを得ない。正直今は大会で上位進出を目指すというよりは、1試合か2試合勝てればいい、という考えでプレーしている。ただこれは20年以上のプロ生活で味わったことのない感覚だ。こうして大会の序盤で負けることが常態化しつつある今、その現実と向き合うこと自体が、自分にとって大きなチャレンジになっている」
今大会のポジティブな点としてジョコビッチは「モンテカルロや他の大会よりも試合を楽しめたこと」を挙げるが、テニスのレベル自体は「まだ自分が望む水準には達していない」と言う。またこれまで何度も跳ね除けてきたプレッシャーの感じ方も「今までとは異なる」とし、コート上で良い精神状態を保つことが難しくなってきたとも明かした。
「プレッシャーはこのスポーツ、そして最高のレベルで戦う上では常につきまとうもので、なくなることはないが、今は以前とは違うプレッシャーを感じる。おそらく他の選手たちも同じだろうが、コートに立つたびに、緊張やストレス、そして興奮を感じる。正直言って、競技に出ることそのものが少し難しくなってきたのは事実だ」
さらには以前まで否定してきた今季限りでの引退も現実味を帯びてきたとまで続けた。「もう選手としてマドリードに戻ることはないかもしれない。今回がここでの最後の試合になることは願いたくないけど、可能性はある」
達観したように「これがキャリアというもので、いずれはこういう時が来ることもわかっていた」と絞り出したジョコビッチ。憎たらしいほど強かった彼が、このまま終わってしまうのか...。復活を信じて待つファンは多いはずだ。
文●中村光佑
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