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海外テニス

躍進のフィンランド選手が再発するパニック発作で長期離脱を強いられた過去を明かす「4カ月半はラケットも触れなかった」<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.05.09

パニック発作に悩まされ戦線離脱を余儀なくされたルースブオリが「誰かの役に立てば」と自身の経験談をSNSを通じて公開した。(C)Getty Images

パニック発作に悩まされ戦線離脱を余儀なくされたルースブオリが「誰かの役に立てば」と自身の経験談をSNSを通じて公開した。(C)Getty Images

 突然襲ってくる強い不安や恐怖により混乱した心理状態に陥ってしまう「パニック発作」。そんなことがコートの内外で繰り返し起きたとしたら、とてもテニスを続けることなどできないだろう。

 元世界ランキング37位のエミル・ルースブオリ(フィンランド/現235位)は、再発するパニック発作のためにテニス界からの長期離脱を余儀なくされたつらい経験を、SNSを通じて明らかにした。

 ジュニア時代は世界4位まで上り詰めた逸材は、2022年のプネー(インド/ATP250)で初めてツアー大会決勝進出を果たすと、23年3月には四大大会に次ぐグレードを誇るマスターズ1000大会のマイアミ・オープンでベスト8進出。大会後にはキャリアハイとなる37位をマークした。母国の名手ヤルコ・ニエミネン(元13位/43歳)以来となるフィンランド期待の星は、その後もコンスタントに結果を出し続けた。

 だが、24年1月の香港オープン(ATP250)で自身2度目の決勝進出を果たすも、以降は早期敗退が続き、ウインブルドン3回戦では世界11位のステファノス・チチパス(ギリシャ/現19位)を破る金星を手にするも、続く7月開催のワシントン(ATP500)で2回戦敗退を喫すると突如戦線を離脱。9月には「仕事と回復のバランスがうまく取れない」ことを理由にシーズンに幕を下ろした。
 
 ルースブオリが今回、自身のインスタグラムに投稿した内容によると、最初のパニック発作を経験したのは4年前のことで「昨夏(24年)のウインブルドン最終戦のことはほとんど覚えていません」と明かす。そして症状については次のように綴っている。

「昨年は、再発性で悪化するパニック発作に苦しみ、コート内外で精神的な問題を抱えていました。そのため約6カ月間競技を休養しました。4カ月半はラケットにも触れず、コートに立つことさえできませんでした」と苦しい日々を振り返る。

 そして今年2月に下部大会のテネリフェ・チャレンジャー(スペイン)で戦線復帰。現在まで下部大会をメインに転戦しているが思うように結果は出せず、ランキングは235位まで下がってしまった。それでも彼は自身の体験談が誰かの助けになればと考えている。

「このメッセージが伝わり、心の健康を大切にすることの大切さを改めて認識してもらえたらうれしいです。この経験を経て、人生とテニスのキャリアにさらに集中できるようになることを願っています」とメッセージの最後に付け加えている。

構成●スマッシュ編集部

【動画】パニック発作について説明するルースブオリのビデオとテキストメッセージ

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