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世界2位のズベレフが「イタリア国際」の大会使用球に苦言!「今日のボールは完全にダメでした」<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.05.16

今季初優勝を遂げた「BMWオープン」と同じボールを使用しているという「イタリア国際」だが、ズベレフによると球足の遅い「失敗作」が使用されていると不満をもらす。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー「イタリア国際」(5月7日~18日/イタリア・ローマ/クレーコート/ATP1000)で敗れた世界ランキング2位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が、大会使用球への不満を露わにした。

 本大会の連覇を狙うズベレフは、現地14日実施された準々決勝に登場。地元イタリアの技巧派ロレンツィオ・ムゼッティ(同9位)と対戦したが、ここまで1セットも失うことなく勝ち上がってきたディフェンディングチャンピオンは思うように試合のペースを築けず。第1セットをタイブレークの末に落とすと、第2セットも大事な場面でミスを重ねるなど失速。2時間15分に及んだ戦いは、6-7(1)、4-6のストレートで終止符が打たれた。

 連覇を逃したズベレフは試合後、敗因のひとつに大会の「使用球」を挙げた。それによると自身が戦ってきた「モンテカルロ・マスターズ」(モナコ)、「BMWオープン」(ドイツ)、「マドリード・オープン」(スペイン)、そして「イタリア国際」の4大会では全て同じメーカーのボールが使用されていた。だが、ズベレフによると明らかにローマだけボールの特性が異なったと主張する。

「今日のボールは完全にダメでした。大きすぎた。この件(ボールの状態にバラつきがあること)については3、4年前から問題提起してきたが解決できていない」と語り、この日の使用球については「完全な失敗作だった」と憤った。
 
 実は今大会の使用球に関してズベレフは、ビリウス・ガウバス(リトアニア/同154位)との3回戦終了後も「ボールに関して非常に奇妙なことが起きている。以前の大会よりも明らかに球足が遅くなっている」と疑問を呈していた。そのため「(ストリングの)張り上げを下げて準備した。彼ら(大会側)は同じボールだと信じ込ませようとしているが、それは不可能だ」と語っていた。

 準々決勝でもボールが遅く感じたのは、試合実施時間が夜だったことも影響しているかもしれないが、ズベレフからすれば遅いボールによって自身の武器である攻撃的なプレーが妨げられたのだから納得できないのだろう。

 果たして同じメーカーのボールの状態が大会によって変わるものなのか。1グラム単位でラケットの重さの違いがわかるというプロ選手。そのなかでもトップグループに位置付けられているズベレフの言葉だけに気になるところだ。

 なお、今月25日に開幕する四大大会「全仏オープン」(5月25日~6月8日/フランス・パリ/クレーコート)では、今回とは違うメーカーのボールが大会の使用球となる。昨年の全仏で準優勝しているズベレフにとって果たしてどんな影響をもたらすのだろうか。

構成●スマッシュ編集部

【動画】連覇を狙うズベレフが敗れた「イタリア国際」準々決勝ハイライト

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