いよいよ佳境を迎えている男女共催のテニスツアー公式戦「イタリア国際」(イタリア・ローマ/クレーコート/ATP1000・WTA1000)で、目に余る観客の振る舞いが大きな問題となっている。
スペインメディア『Punto de Break』によると、現地5月12日に行なわれたファビアン・マロジャン(ハンガリー/世界ランキング36位)とヤクブ・メンシク(チェコ/同21位)による男子シングルス3回戦では、客席の最前列に座っていた数名のファンが試合中にメンシクを心無い言葉で侮辱したようだ。
その証拠にテニスストリーミングサイト『Tennis TV』の配信映像には、ヤジを飛ばされたメンシクが彼らに言い返す姿が収められている。ただしメンシクが具体的に何を言われたのかについては明らかになっていない。
メンシクのファンを名乗るX(旧ツイッター)のアカウントが当該映像を添えて上記の一件に対するコメントを綴ると、今大会で初戦敗退を喫した元世界24位の西岡良仁(現74位)が同投稿を引用し、自身も同様の被害に遭ったと告白。西岡は次のように記している。
「ローマではそういう状況を何度か目にしたことがあります。数年前に地元勢のロレンツォ・ソネゴ(イタリア/元21位/現44位)と対戦したとき、イタリアのファンが『レッツゴー、スシ!』と叫んできましたし、今年の大会では『カモン、チャイナ!』と言われました。どちらも試合中のことでした。こういうことをするのはごく一部の人たちだとは分かっていますが、ローマではよくあることなのです」
女子でも一部の選手が観客とひと悶着あった。現地14日に実施された世界女王のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/同1位)とジェン・チンウェン(中国/同8位)によるシングルス準々決勝では、第2セットの第2ゲームでサバレンカがリターンの直前に声を上げた観客に対して「黙れ、クソ」と暴言を吐き、警告を受けるというシーンが発生。
またクララ・タウソン(デンマーク/同23位)とミラ・アンドレーワ(ロシア/同7位)の4回戦でも、タウソンが自身のダブルフォールトに喝采を上げた1人の観客に詰め寄るという一幕もあった。
今年は例年以上に観客が選手に対して過剰に干渉してしまうケースが目立っており、一部ではマナーの悪化を指摘する声も上がっている。
応援は選手にとって励みになるものだろうが、それが試合の進行を妨げてしまっては元も子もない。コート上の主役である選手が常に安心してプレーできる環境づくりを、観客も共に考えるべきではないだろうか。
文●中村光佑
【画像&動画】西岡良仁がマナーの悪いローマの観客について記した投稿
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その証拠にテニスストリーミングサイト『Tennis TV』の配信映像には、ヤジを飛ばされたメンシクが彼らに言い返す姿が収められている。ただしメンシクが具体的に何を言われたのかについては明らかになっていない。
メンシクのファンを名乗るX(旧ツイッター)のアカウントが当該映像を添えて上記の一件に対するコメントを綴ると、今大会で初戦敗退を喫した元世界24位の西岡良仁(現74位)が同投稿を引用し、自身も同様の被害に遭ったと告白。西岡は次のように記している。
「ローマではそういう状況を何度か目にしたことがあります。数年前に地元勢のロレンツォ・ソネゴ(イタリア/元21位/現44位)と対戦したとき、イタリアのファンが『レッツゴー、スシ!』と叫んできましたし、今年の大会では『カモン、チャイナ!』と言われました。どちらも試合中のことでした。こういうことをするのはごく一部の人たちだとは分かっていますが、ローマではよくあることなのです」
女子でも一部の選手が観客とひと悶着あった。現地14日に実施された世界女王のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/同1位)とジェン・チンウェン(中国/同8位)によるシングルス準々決勝では、第2セットの第2ゲームでサバレンカがリターンの直前に声を上げた観客に対して「黙れ、クソ」と暴言を吐き、警告を受けるというシーンが発生。
またクララ・タウソン(デンマーク/同23位)とミラ・アンドレーワ(ロシア/同7位)の4回戦でも、タウソンが自身のダブルフォールトに喝采を上げた1人の観客に詰め寄るという一幕もあった。
今年は例年以上に観客が選手に対して過剰に干渉してしまうケースが目立っており、一部ではマナーの悪化を指摘する声も上がっている。
応援は選手にとって励みになるものだろうが、それが試合の進行を妨げてしまっては元も子もない。コート上の主役である選手が常に安心してプレーできる環境づくりを、観客も共に考えるべきではないだろうか。
文●中村光佑
【画像&動画】西岡良仁がマナーの悪いローマの観客について記した投稿
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