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ズベレフの母国大会早期敗退は体調不良が原因!「今日のような状態で試合に出た選手は世界中でも2人くらい」<SMASH>

中村光佑

2025.05.23

全仏オープンの前哨戦として臨んでいたハンブルク大会だったが、発熱を伴う体調不良によって思うように戦えず無念の2回戦敗退を喫したズベレフ。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー公式戦「ハンブルク・オープン」(5月18日~24日/ドイツ・ハンブルク/クレーコート/ATP500)のシングルスで2回戦敗退を喫した世界ランキング3位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が、敗戦後の記者会見で体調を崩していたことを明かした。

 母国開催の同大会では2023年に優勝を飾り、昨年も準優勝を経験している28歳のズベレフ。今大会も1回戦では予選勝者のアレクサンダー・コバチェビッチ(アメリカ/同80位)に6-1、7-6 (5)で勝利し、2回戦に進出した。

 しかし現地21日の2回戦では、今年1月の香港オープン(ATP250)でツアー初優勝を飾った同世代のアレクサンドル・ミュラー(フランス/同40位)に3-6、6-4、6-7(5)のフルセットで敗戦。ファイナルセットのタイブレークでは5-3と、勝利まであと2ポイントというところまで迫ったズベレフだったが、そこからまさかの4連続失点を喫して力尽きた。

 クレーシーズンのズベレフは「モンテカルロ・オープン」(ATP1000)で初戦敗退を喫すも、自国大会の「BMWオープン」(ATP500)で優勝。「マドリード・オープン」(ATP1000)は4回戦敗退、タイトル防衛が懸かっていた「イタリア国際」(ATP1000)は準々決勝敗退とアップダウンはあったものの、ここまでトータル15試合をこなし、11勝4敗という成績を残している。
 
 ただ疲労の蓄積からか、ズベレフは発熱を伴う体調不良に悩まされていたという。ミュラーとの試合を終えた後の記者会見では「37回も嘔吐して、夜中には39.4度の熱があった」としつつ、厳しい状況の中で最後まで戦い抜いた自身をポジティブに評価。最後には勝者を素直に称えた。

「そういう状況だったことを考えれば、今日は悪くなかったと思う。今日のような状態で試合に出た選手は、世界中でも2人くらいしかいないだろう。そのうちの1人が僕だ。自分のその姿勢を本当に誇りに思う」

「あと2ポイントで勝てるところまで行ったし、プラスに評価できる点もたくさんある。試合内容も良かった。相手は僕の体調が良くないと途中で気付いたみたいで、できるだけポイントを長引かせていたように感じた。賢い戦術だったと思う」

 間もなく開幕する「全仏オープン」(5月25日~6月8日)で悲願の四大大会初優勝を目指すズベレフ。それだけにこのタイミングでの体調不良は少々心配だが、一日も早く回復し、パリでは万全の状態でプレーできることを願いたい。

文●中村光佑

【動画】体調不良のズベレフが接戦を演じた「ハンブルク・オープン」2回戦ハイライト

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