現在開催中のテニス四大大会「全仏オープン」は現地6月2日に男子シングルス4回戦が行なわれ、第5シードで世界ランキング5位のジャック・ドレイパー(イギリス)が登場。ノーシードで同62位のアレクサンダー・バブリク(カザフスタン)と対戦したが、7-5、3-6、2-6、4-6の逆転で敗れ、同大会初のベスト8進出を逃した。
今年3月の「BNPパリバ・オープン」(ハードコート)にて、四大大会に次ぐグレードのマスターズ1000シリーズ初優勝を飾り、キャリア初のトップ10入りを達成した23歳のドレイパー。さらに今季は苦手だったクレーコートシーズンでも結果を残しており、4月下旬の「マドリード・オープン」(ATP1000)では準優勝。直後に出場した「イタリア国際」(ATP1000)でもベスト8に進出した。
そんなドレイパーにとって全仏オープンは過去2度の出場でまだ1度も勝利がない“鬼門”のトーナメントだった。しかし今大会はマッティア・ベルッチ(イタリア/同68位)、元6位のガエル・モンフィス(フランス/同42位)、さらには18歳の期待の新星として注目を集めているジョアオ・フォンセカ(ブラジル/同65位)までも破り、大会初のベスト16進出。念願の四大大会初優勝に向けても上昇気流に乗っていた。
だからこそ4回戦敗退という結果に、ドレイパーは「本当に悔しい」と肩を落とす。クレーでの実績が乏しく、過去の対戦成績でも2勝0敗と分の良いバブリクが相手だったこともあり、「チャンスを逃した」と後悔した様子で試合を振り返った。
「この結果には本当に失望している。クレーシーズンは、これまでほとんど勝てていなかった。その事実を頭に置きつつ臨んだ今大会は調子が良かった。レベルも上がっている実感があった。だから今日の敗戦は本当に苦しい」
一方で、テニス界のエンターテイナーとも称されるバブリクのハイレベルなプレーを素直に称賛。「彼が本当に素晴らしいプレーをした。自分のテニスをさせてもらえなかった。彼のような選手はプレーに波があるものだが、今日は100%集中していたと思う」と続けた。
それでも来る芝シーズンに向けて、23歳はすでに前を向いている。不得意なクレーシーズンが終わりを告げたことについて「正直なところうれしいね」と笑みを浮かべながら本音を明かしたドレイパーはポジティブな言葉で会見を締めくくった。
「僕は急成長しているけど、それと同時に常に多くのことを急ピッチで学ばなければならない状況が続いていた。ケガも多かったし、挫折や困難もたくさん経験してきた。今回の試合もその一つ。ここから学び、成長して、それを自分の糧にするつもりでいる。前に進むだけだ。また球足の速いサーフェスに戻れるのはうれしいし、自分にとって動きやすいサーフェスでもある。母国に戻って芝でプレーするのが楽しみだよ」
全仏オープンは物足りない結果に終わってしまったドレイパーだが、これまで不得意だったクレーで質の高いパフォーマンスができたことは大きな自信になったはずだ。今後のさらなる活躍を期待したい。
文●中村光佑
【画像】ドレイパーはじめ、2025全仏オープンを戦う男子トップ選手たちの厳選フォト
【関連記事】マリーの存在を支えにさらなる高みへ!英テニス界の未来担うドレイパーが覚悟を語る「頂点に立てる自信がある」<SMASH>
【関連記事】ドレイパーにクレー克服の兆し!マドリードOP決勝で惜敗も「自分自身にも周囲にも通用することを証明できた」と手応え<SMASH>
今年3月の「BNPパリバ・オープン」(ハードコート)にて、四大大会に次ぐグレードのマスターズ1000シリーズ初優勝を飾り、キャリア初のトップ10入りを達成した23歳のドレイパー。さらに今季は苦手だったクレーコートシーズンでも結果を残しており、4月下旬の「マドリード・オープン」(ATP1000)では準優勝。直後に出場した「イタリア国際」(ATP1000)でもベスト8に進出した。
そんなドレイパーにとって全仏オープンは過去2度の出場でまだ1度も勝利がない“鬼門”のトーナメントだった。しかし今大会はマッティア・ベルッチ(イタリア/同68位)、元6位のガエル・モンフィス(フランス/同42位)、さらには18歳の期待の新星として注目を集めているジョアオ・フォンセカ(ブラジル/同65位)までも破り、大会初のベスト16進出。念願の四大大会初優勝に向けても上昇気流に乗っていた。
だからこそ4回戦敗退という結果に、ドレイパーは「本当に悔しい」と肩を落とす。クレーでの実績が乏しく、過去の対戦成績でも2勝0敗と分の良いバブリクが相手だったこともあり、「チャンスを逃した」と後悔した様子で試合を振り返った。
「この結果には本当に失望している。クレーシーズンは、これまでほとんど勝てていなかった。その事実を頭に置きつつ臨んだ今大会は調子が良かった。レベルも上がっている実感があった。だから今日の敗戦は本当に苦しい」
一方で、テニス界のエンターテイナーとも称されるバブリクのハイレベルなプレーを素直に称賛。「彼が本当に素晴らしいプレーをした。自分のテニスをさせてもらえなかった。彼のような選手はプレーに波があるものだが、今日は100%集中していたと思う」と続けた。
それでも来る芝シーズンに向けて、23歳はすでに前を向いている。不得意なクレーシーズンが終わりを告げたことについて「正直なところうれしいね」と笑みを浮かべながら本音を明かしたドレイパーはポジティブな言葉で会見を締めくくった。
「僕は急成長しているけど、それと同時に常に多くのことを急ピッチで学ばなければならない状況が続いていた。ケガも多かったし、挫折や困難もたくさん経験してきた。今回の試合もその一つ。ここから学び、成長して、それを自分の糧にするつもりでいる。前に進むだけだ。また球足の速いサーフェスに戻れるのはうれしいし、自分にとって動きやすいサーフェスでもある。母国に戻って芝でプレーするのが楽しみだよ」
全仏オープンは物足りない結果に終わってしまったドレイパーだが、これまで不得意だったクレーで質の高いパフォーマンスができたことは大きな自信になったはずだ。今後のさらなる活躍を期待したい。
文●中村光佑
【画像】ドレイパーはじめ、2025全仏オープンを戦う男子トップ選手たちの厳選フォト
【関連記事】マリーの存在を支えにさらなる高みへ!英テニス界の未来担うドレイパーが覚悟を語る「頂点に立てる自信がある」<SMASH>
【関連記事】ドレイパーにクレー克服の兆し!マドリードOP決勝で惜敗も「自分自身にも周囲にも通用することを証明できた」と手応え<SMASH>