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【テニスギア講座】傷んだラケットもパーツ交換で生き返る! 買い替えなくても長持ちさせる方法とは?

松尾高司

2020.02.05

コートにラケットをぶつけることは誰にでもある。バンパーやグロメットを交換すれば、より長持ちする。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 ラケットは必ず傷つくものです。ハードコートにぶつければトップバンパーに擦り傷が刻まれ、クレーやオムニでこすったりすると、ボディとバンパーの間に砂が詰まったりします。これはラケットの運命です。

 ですが、傷ついたままにしておいてはいけません。パーツ交換だけで新品同様に生まれ変われるはずが、細かな傷を放っておくことで、ボディ本体まで傷つけてしまい、修復不可となることもあるのです。

 例えば、フェイス先端にあるバンパーがヒビ割れてしまったラケットは、打球感にイヤな振動が生じたり、打球性能自体が悪くなることも考えられます。バンパーを交換すれば新品当時の新鮮さに若返るわけですから、ぜひ試してみてください。

 また、グロメットも劣化します。フレーム本体との間にあってストリング(ガット)を守るのがグロメットの役割ですが、ストリングが張られているだけで常に強いテンションで圧縮され続け、強打のたびにグイッと食い込みます。すると、グロメットは樹脂の劣化とともに、ストリングホールの角に亀裂が入ったり、面の内側に飛び出している筒が千切れたり、裂けたりと、色んなトラブルが発生するわけです。こうなると、ストリングはボディに直接接触し、切れやすい状態に置かれるので、素直に交換するのが最善の方法です。
 
 今日では、ラケットヘッドを守る「バンパー」と、ストリングを守る「グロメット」が一体化している物がほとんどです。ですから交換する時は「バンパー&グロメットまるごと交換」ということになります。

 そのタイミングですが、ストリングの張り替えの時に検討しましょう。テニスショップへ行って張り替えの依頼をすると、ストリンガーから「そろそろグロメットを交換されたほうがいいですね」と指摘されることも多いです。

 ただし、交換を依頼することになっても、すぐに対応できるとは限りません。ラケットには非常に多くの種類があり、それぞれにグロメットが違ったりしますから、それら全てを在庫しているショップはほとんどないと言えるでしょう。大抵のお店が「メーカーへの発注対応」となるので、少し時間がかかるのは覚悟してください。

 グロメットにもメーカーや機種によって多少の価格差があります。グロメット自体の価格はだいたい2千円前後で、交換手数料はショップごとに差があるので、依頼する時に確認するようにしましょう。

文●松尾高司(KAI project)

※『スマッシュ』2015年9月号より抜粋・再編集

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