テニス四大大会「全仏オープン」は大会最終日の現地6月8日に男子シングルス決勝を実施。ディフェンディングチャンピオンで第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランキング2位/22歳)が、第1シードのヤニック・シナー(イタリア/同1位/23歳)に4-6、6-7(4)、6-4、7-6(3)、7-6[10-2]と2セットダウンから大逆転勝利を収め、殊勲の大会2連覇を成し遂げた。
最高峰の舞台である四大大会決勝で両者が顔を合わせるのは今回が初めて。次代の男子テニス界を担う若きヒーロー2人の頂上決戦は、全仏オープン決勝で史上最長となる5時間29分の死闘となり、最後まで息を飲む壮絶な打ち合いが繰り広げられた。
試合は開始直後の第1ゲームから激戦を予感させる12分のロングゲームとなり、ここではアルカラスが3本のブレークポイントを握るも生かしきれず。軌道の高いボールと鋭いショットのコンビネーションで第5ゲームをブレークしたものの直後の第6ゲームでブレークバックを許し、セット終盤の第10ゲームもサービスダウンして第1セットを落とした。
第2セットもアルカラスは勢いに乗るシナーを止められず、第1ゲームから3ゲームを連取される苦しい展開。シナーのサービング・フォー・ザ・セットとなった第9ゲームで意地のブレークバックを果たしてタイブレークに持ち込んだが、シナーの強力なショットと粘り強いディフェンスに手を焼き、早くも2セットダウンと追い込まれる。
第3セットも第1ゲームでブレークを喫したアルカラスだったが、第2ゲームからは疲労で動きのキレが落ちてきたシナーを攻め立て、立て続けに4ゲームを奪って4-1とリード。第9ゲームで追いつかれるも、第10ゲームで攻撃的なリターンを見せて3度目のブレークを果たし、決勝まで全てストレートで勝ち上がってきたシナーから初めてセットを奪った。
第4セットは中盤までキープ合戦となるも、アルカラスが第7ゲームで均衡を破られると、第9ゲームでは0-40と敗戦まであと1点という絶体絶命の状況に陥り、この時点で勝負は決したかに思われた。しかしここは丁寧なストロークでシナーのミスを誘い、驚異の5連続ポイントで3本のチャンピオンシップポイントをセーブ。勢いに乗ってシナーのサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップとなった第10ゲームをブレークし、そのまま突入したタイブレークを制して土壇場から2セットオールに持ち込んだ。
そして運命のファイナルセットはアルカラスが第1ゲームでブレーク。その後はサービスキープを継続し、第10ゲームではサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップを迎えた。しかしこれを取り切れず、勝負の行方は10ポイントタイブレークへ。嫌な流れが漂ったアルカラスだったが、10ポイントタイブレークでは7ポイント連取に成功するなど一気に主導権を掌握し、失点をわずか2に抑えて勝負あり。キャリア初となる2セットダウンからの大逆転劇でタイトル防衛を果たした。
なお全仏男子シングルスでの大会連覇は2017年から20年に4連覇したラファエル・ナダル氏(元1位)以来で、1968年のオープン化以降では史上8人目の快挙だ。表彰式でアルカラスは「チームと家族のみんなに、全てにありがとうと言いたい。みんなと一緒に素晴らしい瞬間を経験できることは、自分にとっての特権だ。今日はたくさんの人が故郷から応援に来てくれて、とても運が良かったと思う。本当にありがとう」と感謝の言葉を口にした。
文●中村光佑
【動画】アルカラス対シナーの2025全仏オープン決勝ハイライト
【画像】大会連覇のアルカラスはじめ、2025全仏オープンを戦う男子トップ選手たちの厳選フォト
【関連記事】21歳ガウフがサバレンカとの頂上決戦を制し全仏オープン初優勝!「何とかやり遂げた。それが全て」<SMASH>
最高峰の舞台である四大大会決勝で両者が顔を合わせるのは今回が初めて。次代の男子テニス界を担う若きヒーロー2人の頂上決戦は、全仏オープン決勝で史上最長となる5時間29分の死闘となり、最後まで息を飲む壮絶な打ち合いが繰り広げられた。
試合は開始直後の第1ゲームから激戦を予感させる12分のロングゲームとなり、ここではアルカラスが3本のブレークポイントを握るも生かしきれず。軌道の高いボールと鋭いショットのコンビネーションで第5ゲームをブレークしたものの直後の第6ゲームでブレークバックを許し、セット終盤の第10ゲームもサービスダウンして第1セットを落とした。
第2セットもアルカラスは勢いに乗るシナーを止められず、第1ゲームから3ゲームを連取される苦しい展開。シナーのサービング・フォー・ザ・セットとなった第9ゲームで意地のブレークバックを果たしてタイブレークに持ち込んだが、シナーの強力なショットと粘り強いディフェンスに手を焼き、早くも2セットダウンと追い込まれる。
第3セットも第1ゲームでブレークを喫したアルカラスだったが、第2ゲームからは疲労で動きのキレが落ちてきたシナーを攻め立て、立て続けに4ゲームを奪って4-1とリード。第9ゲームで追いつかれるも、第10ゲームで攻撃的なリターンを見せて3度目のブレークを果たし、決勝まで全てストレートで勝ち上がってきたシナーから初めてセットを奪った。
第4セットは中盤までキープ合戦となるも、アルカラスが第7ゲームで均衡を破られると、第9ゲームでは0-40と敗戦まであと1点という絶体絶命の状況に陥り、この時点で勝負は決したかに思われた。しかしここは丁寧なストロークでシナーのミスを誘い、驚異の5連続ポイントで3本のチャンピオンシップポイントをセーブ。勢いに乗ってシナーのサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップとなった第10ゲームをブレークし、そのまま突入したタイブレークを制して土壇場から2セットオールに持ち込んだ。
そして運命のファイナルセットはアルカラスが第1ゲームでブレーク。その後はサービスキープを継続し、第10ゲームではサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップを迎えた。しかしこれを取り切れず、勝負の行方は10ポイントタイブレークへ。嫌な流れが漂ったアルカラスだったが、10ポイントタイブレークでは7ポイント連取に成功するなど一気に主導権を掌握し、失点をわずか2に抑えて勝負あり。キャリア初となる2セットダウンからの大逆転劇でタイトル防衛を果たした。
なお全仏男子シングルスでの大会連覇は2017年から20年に4連覇したラファエル・ナダル氏(元1位)以来で、1968年のオープン化以降では史上8人目の快挙だ。表彰式でアルカラスは「チームと家族のみんなに、全てにありがとうと言いたい。みんなと一緒に素晴らしい瞬間を経験できることは、自分にとっての特権だ。今日はたくさんの人が故郷から応援に来てくれて、とても運が良かったと思う。本当にありがとう」と感謝の言葉を口にした。
文●中村光佑
【動画】アルカラス対シナーの2025全仏オープン決勝ハイライト
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