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白石光の真骨頂、バックのランニングカウンター! 強く叩いて素早く戻れるフットワークを伝授【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.06.11

白石光プロのバックのカウンター。左足でボールに入り(3コマ目)、跳びながらヒットして(6)、左足で止まる(8)。すぐさま左足をクロスさせると素早く戻れる(10)。写真:THE DIGEST写真部

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は早稲田大学を卒業してプロ3年目、頭脳的なゲームメイクでITFツアー5勝を挙げている白石光選手の2回目だ。得意とするバックハンドのランニングカウンターについて教えてくれた。

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 僕は基本的にはディフェンス主体のプレーですが、その中でもカウンターの機会をうかがっています。守備から攻撃に転じる怖さを相手に与えたいので、バックのディフェンスもただ返すだけではなく、クロスに切り返してポイントを取るとか、何か仕掛けますね。バックはフォアよりもそれがしやすく、基本的に軌道も低いので、打ち負けないのが良さかなと思っています。

 バックの守備で大事なのはやはり下半身です。それさえしっかりしていれば、スイングは後から付いてきます。

 この写真でも、8コマ目あたりを見ると足をすごく使っていて、打った後に左足をしっかり踏ん張れていますよね。僕のバックの切り返しは打った後が非常に早くて、多分そこが他の選手より優れているのだと思います。
 
 細かく説明すると、振られたらまず左足でボールに入り(3コマ目)、跳びながら打って(6コマ目)、着地したら左足で止まります(8コマ目)。そしてすぐ左足をクロスさせて戻る(10コマ目)。このリカバーの繰り返しによって、いいカウンターが生まれます。

 ボールを追っていって右足で踏み込むことは、ディフェンスではありません。自分から打ちに行く時は別ですが、ディフェンスに関してはこのスタンスが生命線で、一番得意にしています。

 これは結構いいカウンターになっていると思います。後ろに下がらずに早いタイミングでボールを捉えられているので(5コマ目)、返すだけでなく有効な反撃ができているんじゃないでしょうか。

【プロフィール】白石光/しらいしひかる
2000年5月22日、東京都生まれ。170cm、62kg、右利き。高校総体3冠を取って早大に進み、インカレ王者に。プロ転向後、23年全日本選手権で準優勝。ITFツアーではこれまでに5勝を挙げている。頭脳的な配球と粘り強い守備からの多彩な反撃が武器。日本ランク最高10位。SBCメディカルグループ所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2023年12月号より再編集

【連続写真】白石光のバックハンドのランニングカウンター『30コマの超分解写真』

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