佳境を迎えているテニス四大大会「ウインブルドン」は7月11日に男子シングルス準決勝を行ない、男女を通じて単独最多記録となる25度目のグランドスラム優勝を目指すノバク・ジョコビッチ(セルビア/元世界ランキング1位/現6位)が登場。現世界王者のヤニック・シナー(イタリア)に挑んだが、3-6、3-6、4-6で敗れ、決勝進出を8年ぶりに逃すこととなった。しかし38歳はそれで打ちひしがれることはなく、試合後には来年も聖地に戻ってくることを宣言した。
スコアが示す通り準決勝は完敗だった。シナーのスピードと安定性、展開力にジョコビッチはついていけず、第1セットは2つのサービスダウンを喫し、第2セットも1ブレークされ連取される。第3セットは第2ゲームでこの日初めて握ったブレークポイントをモノにし、一時は3-0とリードしたジョコビッチだが、シナーの反撃に遭って立て続けにブレークを許し、そのまま1時間55分で敗れ去った。
ジョコビッチは27本のウイナーを奪ったが(シナーは36本)、28本のイージーミスを犯し(シナーは17本)、総ポイント数では70対95と差を付けられた。特にセカンドサービスのポイント獲得率が17%(30本中5本)にとどまったのが、サービスキープに苦しんだ大きな要因と言えよう。
また、本人は「ケガのことを細かく話したくはない」と明言を避けたが、準々決勝で転倒した際に股関節を痛めたことが、準決勝での動きの悪さに影響していたことも否めない。実際、第2セット終了時にはメディカルタイムアウトを取り、左足の治療を受けている。
試合後の会見でジョコビッチは「期待していたほどうまく動けなかったことに、本当にがっかりしている」と認めたが、直接ケガを敗因には挙げず、「ただの年齢、身体の消耗だ。どれだけ気を付けていても、この1年半、今までにないほど現実を突きつけられている」と説明した。
「特に今年は、5セットの試合が体力的に本当に大変だった。大会が長引くほど、コンディションは悪化していくんだ」
こう聞くと引退近しか? と心配になるが、全仏オープン敗退時に「12カ月後ここでプレーするかはわからない」と述べたのとは対照的に、今回はポジティブな言葉を残している。
「これがセンターコートでの最後の試合にならないことを願っている」とした上で、「今日でウインブルドンでのキャリアを終わらせるつもりはない。だから、少なくともあと一度は必ず戻ってきて、センターコートでプレーするつもりだ」と断言した。
この言葉を信じれば、少なくともあと1年は彼のテニスが見られるということだ。「プレーしたいんだ。その決意は固いが、身体が言うことを聞かない。そうとしか言いようがない」とジョコビッチ。気持ちと身体のギャップに苦しみつつも、戦い続ける彼の姿を、でき得る限り目に焼き付けておきたい。
構成●スマッシュ編集部
【動画】2025ウインブルドン準決勝、ジョコビッチ対シナー戦のハイライト
【画像】ジョコビッチ、シナーら、ウインブルドン2025を戦う男子トップ選手たちの厳選フォト
【関連記事】フェデラーが観戦する前で初めて勝利したジョコビッチ!「呪いを破ったような気分」と笑顔<SMASH>
スコアが示す通り準決勝は完敗だった。シナーのスピードと安定性、展開力にジョコビッチはついていけず、第1セットは2つのサービスダウンを喫し、第2セットも1ブレークされ連取される。第3セットは第2ゲームでこの日初めて握ったブレークポイントをモノにし、一時は3-0とリードしたジョコビッチだが、シナーの反撃に遭って立て続けにブレークを許し、そのまま1時間55分で敗れ去った。
ジョコビッチは27本のウイナーを奪ったが(シナーは36本)、28本のイージーミスを犯し(シナーは17本)、総ポイント数では70対95と差を付けられた。特にセカンドサービスのポイント獲得率が17%(30本中5本)にとどまったのが、サービスキープに苦しんだ大きな要因と言えよう。
また、本人は「ケガのことを細かく話したくはない」と明言を避けたが、準々決勝で転倒した際に股関節を痛めたことが、準決勝での動きの悪さに影響していたことも否めない。実際、第2セット終了時にはメディカルタイムアウトを取り、左足の治療を受けている。
試合後の会見でジョコビッチは「期待していたほどうまく動けなかったことに、本当にがっかりしている」と認めたが、直接ケガを敗因には挙げず、「ただの年齢、身体の消耗だ。どれだけ気を付けていても、この1年半、今までにないほど現実を突きつけられている」と説明した。
「特に今年は、5セットの試合が体力的に本当に大変だった。大会が長引くほど、コンディションは悪化していくんだ」
こう聞くと引退近しか? と心配になるが、全仏オープン敗退時に「12カ月後ここでプレーするかはわからない」と述べたのとは対照的に、今回はポジティブな言葉を残している。
「これがセンターコートでの最後の試合にならないことを願っている」とした上で、「今日でウインブルドンでのキャリアを終わらせるつもりはない。だから、少なくともあと一度は必ず戻ってきて、センターコートでプレーするつもりだ」と断言した。
この言葉を信じれば、少なくともあと1年は彼のテニスが見られるということだ。「プレーしたいんだ。その決意は固いが、身体が言うことを聞かない。そうとしか言いようがない」とジョコビッチ。気持ちと身体のギャップに苦しみつつも、戦い続ける彼の姿を、でき得る限り目に焼き付けておきたい。
構成●スマッシュ編集部
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