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海外テニス

ウインブルドン14歳以下で決勝進出の宮澤紗希乃。海外で磨いた多彩な技は聖地のファンをも魅了する!<SMASH>

内田暁

2025.07.13

2年前から海外に身を置いて腕を磨き、数々のジュニアタイトルを手にしてきた13歳の宮澤紗希乃は、聖地ウインブルドンでも14歳以下で決勝へと駒を進めた。写真:内田暁

2年前から海外に身を置いて腕を磨き、数々のジュニアタイトルを手にしてきた13歳の宮澤紗希乃は、聖地ウインブルドンでも14歳以下で決勝へと駒を進めた。写真:内田暁

 2022年にウインブルドンテニスに新設された“14歳以下部門”が、大会2週目の木曜日(7月10日)から始まっている。

 出場選手は男女各16名で、世界各地から招待されたこの世代のトップジュニア。4選手によるラウンドロビン(総当たり)が行なわれ、各グループの1位がノックアウト方式の準決勝へ。大会最終日の7月13日に男女の決勝が行なわれる。

 これらの試合を見るファンや、記者たちから聞こえる声は総じて、レベルの高さに対する驚きだ。どの選手もショットは多彩で、目に見えた弱点もない。女子ではその筆頭が、日本の宮澤紗希乃だろう。

 宮澤は、昨年末に米国フロリダ州で開催されるオレンジボウル14歳以下を制した、13歳。欧州ジュニアツアーでも数々の戦績を残している。今大会もラウンドロビン3試合で、いずれもストレート勝利。それも、相手に合計5ゲーム以上与えない完勝だ。

 さらには準決勝でも、地元イギリスの14歳、リブ・ジングに勝利。長身のパワーヒッターとも堂々打ち合い、少ないチャンスを生かして6-4、6-4で快勝した。その強さも去ることながら、強打に加えてスライスやドロップショット、サーブ&ボレーなど多彩な技を組み合わせポイントを取る攻撃テニスが、目の肥えた聖地のファンをも沸かせている。
 
「なんか、懐かしいですね」

 今大会の初戦勝利後、会見室で向き合い座った時、彼女はそう言い笑った。個人的な話で恐縮だが、初めて同じように座って彼女に話を聞かせてもらったのは、2年前。千葉県白子町に住む当時11歳の宮澤の下を、ロンドンに拠点を置くスポーツマネージメント会社「StarWing(スターウィング)」の副社長が、契約書を手に訪れた時だった。

 2年間は、大人にしてみれば、さして長くない時間。だが彼女にとっては、懐かしむに十分な“昔”だ。背も当時より、15センチは伸びた。プレースタイル的には当時も今も変わらないが、身体もしっかりしたぶん、当然ながら精度も威力も上がっただろう。欧州の大手エージェントの助力もあり、今は1年の半分ほどを、海外遠征で過ごしている。

 プロですら、「ウインブルドンはおろか、芝でプレーするのも今年が初めて」という選手が少なくないなか、宮澤は「去年、会場で練習させてもらえました」と笑顔。芝での試合も、既に多く経験している。

「英語は、もっと勉強しないと」と苦笑いしつつも、ラケットバッグとポシェットを肩にかけ、1人で会場を歩く姿は、すでに異国を日常とする逞しさをまとう。今大会の初戦では、「たくさんの人がいるので、硬くなった」と言うが、注目されるなかでの試合は、嫌いではない。
 
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