テニス四大大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/芝コート)は大会最終日の現地7月13日に男子シングルス決勝を実施。第1シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランキング1位)が第2シードでディフェンディングチャンピオンのカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)を4-6、6-4、6-4、6-4で下し、念願の同大会初優勝並びに四大大会4勝目を飾った。
約1カ月前の「全仏オープン」(四大大会/フランス・パリ/クレーコート)決勝でも対戦した両者。この時は5時間29分にも及ぶ死闘の末、3本のチャンピオンシップポイントを握りながらも大逆転負けを喫したシナーだったが、早くも実現したリマッチで見事に雪辱を果たして見せた。
第1セットはシナーが第5ゲームで先にブレークを獲得し4-2とリードを奪う。しかしその後はウインブルドン2連覇中のアルカラスのアグレッシブな攻撃に苦戦し、ベースラインでの激しいラリー戦でも主導権を握れずに2度のブレークを許して第1セットを献上した。
それでも23歳の若き王者は冷静だった。第2セット序盤で先行し、アンフォーストエラーをわずか5本に抑える安定したプレーを披露してセットオールに。続く第3セットも第1セット終盤から質が上がったサービスや鋭いバックハンドのダウンザラインを軸にスムーズにポイントを重ね、4-4で迎えた第9ゲームでブレークを獲得してセットカウント2-1と優勝に王手を懸けた。
これで勢いに乗ったシナーは第4セット、ファーストサービスで88%と高いポイント獲得率をマークし、リターンゲームでは第3ゲームでブレークを奪取。1ブレークのリードを保ったまま第10ゲームでサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップを迎え、これを難なくキープして3時間4分で頂点に立った。
ちなみにイタリア人選手のウインブルドン優勝は男女を通じて史上初の快挙。パリでの悔しさを晴らしたシナーは表彰式で準優勝のアルカラスを称えつつ、喜びをこう語った。
「感情が込み上げています。パリでは本当に厳しい敗戦を経験しました。でも結局は、大事な大会では勝ち方や負け方は関係ないのです。大切なのは、自分が何を誤ったのかを理解し、それを修正することだと思います。僕はあの敗戦を受け入れ、ただひたすら努力しました。健康で、素晴らしい仲間たちに恵まれて、こうしてトロフィーを掲げられたことには大きな意味があります」
「カルロス、今回も素晴らしい大会でしたね。でも何より、君の存在そのものに感謝しています。君と対戦するのは本当に難しいですが、僕らはお互いに高め合えていますし、コート内外で素晴らしい関係を築けています。それを実現するには、お互いに世界最高のチームが必要です。これからも君には突き進んでほしいですし、このトロフィーを何度も手にすることでしょう。もう2回もここで優勝しているのですから」
一方、惜しくもウインブルドン3連覇を逃したアルカラスは過去5戦負けなしだった四大大会決勝で初黒星を喫し、5月の「イタリア国際」(ATP1000/クレーコート)から続いていたマッチ連勝記録も24でストップ。それでも表彰式では清々しい表情を見せ、「君との対戦が日々僕を成長させてくれるので、本当に感謝しています。優勝おめでとう」と素直にシナーを祝福した。
文●中村光佑
【動画】シナーVSアルカラスの「ウインブルドン」決勝ハイライト
【画像】優勝のシナーはじめ、ウインブルドン 2025 を戦う男子トップ選手たちの厳選フォト
【関連記事】ウインブルドンで快走中の世界王者シナー、全仏オープン決勝敗退の悪影響について「そんなものはない」と完全否定<SMASH>
約1カ月前の「全仏オープン」(四大大会/フランス・パリ/クレーコート)決勝でも対戦した両者。この時は5時間29分にも及ぶ死闘の末、3本のチャンピオンシップポイントを握りながらも大逆転負けを喫したシナーだったが、早くも実現したリマッチで見事に雪辱を果たして見せた。
第1セットはシナーが第5ゲームで先にブレークを獲得し4-2とリードを奪う。しかしその後はウインブルドン2連覇中のアルカラスのアグレッシブな攻撃に苦戦し、ベースラインでの激しいラリー戦でも主導権を握れずに2度のブレークを許して第1セットを献上した。
それでも23歳の若き王者は冷静だった。第2セット序盤で先行し、アンフォーストエラーをわずか5本に抑える安定したプレーを披露してセットオールに。続く第3セットも第1セット終盤から質が上がったサービスや鋭いバックハンドのダウンザラインを軸にスムーズにポイントを重ね、4-4で迎えた第9ゲームでブレークを獲得してセットカウント2-1と優勝に王手を懸けた。
これで勢いに乗ったシナーは第4セット、ファーストサービスで88%と高いポイント獲得率をマークし、リターンゲームでは第3ゲームでブレークを奪取。1ブレークのリードを保ったまま第10ゲームでサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップを迎え、これを難なくキープして3時間4分で頂点に立った。
ちなみにイタリア人選手のウインブルドン優勝は男女を通じて史上初の快挙。パリでの悔しさを晴らしたシナーは表彰式で準優勝のアルカラスを称えつつ、喜びをこう語った。
「感情が込み上げています。パリでは本当に厳しい敗戦を経験しました。でも結局は、大事な大会では勝ち方や負け方は関係ないのです。大切なのは、自分が何を誤ったのかを理解し、それを修正することだと思います。僕はあの敗戦を受け入れ、ただひたすら努力しました。健康で、素晴らしい仲間たちに恵まれて、こうしてトロフィーを掲げられたことには大きな意味があります」
「カルロス、今回も素晴らしい大会でしたね。でも何より、君の存在そのものに感謝しています。君と対戦するのは本当に難しいですが、僕らはお互いに高め合えていますし、コート内外で素晴らしい関係を築けています。それを実現するには、お互いに世界最高のチームが必要です。これからも君には突き進んでほしいですし、このトロフィーを何度も手にすることでしょう。もう2回もここで優勝しているのですから」
一方、惜しくもウインブルドン3連覇を逃したアルカラスは過去5戦負けなしだった四大大会決勝で初黒星を喫し、5月の「イタリア国際」(ATP1000/クレーコート)から続いていたマッチ連勝記録も24でストップ。それでも表彰式では清々しい表情を見せ、「君との対戦が日々僕を成長させてくれるので、本当に感謝しています。優勝おめでとう」と素直にシナーを祝福した。
文●中村光佑
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