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海外テニス

「自分の弱点に気付かされた」元王者マリーが語るコーチ業の難しさ。ノウハウを学ぶべく名指導者に師事<SMASH>

中村光佑

2025.07.17

コーチとしてのノウハウを学ぶことに意欲を見せ始めたマリー氏(右)は、現役時代に指導を受けたことがある名伯楽カイエ氏(左)の門を叩いた。(C)Getty Images

コーチとしてのノウハウを学ぶことに意欲を見せ始めたマリー氏(右)は、現役時代に指導を受けたことがある名伯楽カイエ氏(左)の門を叩いた。(C)Getty Images

 男子テニスのATPツアーで通算46勝を挙げ、四大大会でも3度の優勝を経験した元世界ランキング1位のアンディ・マリー氏(イギリス/38歳)。昨年のパリ五輪で輝かしいキャリアに別れを告げた彼は、同12月に盟友ノバク・ジョコビッチ(セルビア/現6位)のコーチに就任し“ドリームタッグ”を結成したが、思うような結果を残せず、両者は今年5月に相互合意する形でパートナーシップを解消した。

 初めてのツアーコーチの経験を経て、技術指導の難しさを痛感したというマリー氏。先日出演したテニス専門メディア『The Tennis Mentor』のYouTubeチャンネルでジョコビッチとのタッグを振り返りつつ、次のように語った。

「自分の弱点に気付かされることが多かった。自分を含め多くの元プロ選手にとって、プレーするのと指導するのとでは全く違うのだろうとは予想していたが、あのレベルの選手と一緒に仕事をして、自分の強みと同時にコーチとしての弱点も浮き彫りになった」

 次はいつになるかはわからないものの、条件が合えば「またコーチの仕事をやりたい」とマリー氏は意欲を示す。今度は若い選手を指導したいとのことだ。理想は英国の若手選手をサポートできれば、と考えている。

 そこでマリー氏はジョコビッチとの契約解消後からコーチング技術向上のため、名指導者として知られるルイ・カイエ氏に教えを請うていると明かした。カイエ氏は過去にデビスカップ(男子国別対抗戦)でカナダ代表の監督・コーチを務め、後に拠点を移したイギリスではダブルスの発展に大きく貢献した人物だ。
 
「僕が多くの元選手が弱いと感じているのが、技術面の指導力だ。実際、ノバクも時々僕にかなり具体的な技術面のアドバイスを求めてきたことがあったが、正直自分にはあまり自信がなかった。まずは技術をどう教えるかということを学ぶ必要がある」

「僕自身は若い選手を指導してきたコーチの方が、ツアーで活動している多くのコーチよりも、そのあたりは優れていると感じる。選手が20~22歳くらいになると、ゲームや技術そのものを大きく変えることはほとんどなく、ちょっとした微調整を加えるだけになるからね」

 現役時代に数々の輝かしい功績を残したマリー氏だが、コーチとしてはまだ発展途上だ。

「だからまたコーチの仕事をするなら、そこをしっかり学び、その分野を得意としている人から教わりたいと思った。ルイ・カイエ氏は、僕が現役時代に技術面で指導を受けた素晴らしいコーチの1人。ノバクとのタッグを終えてから、コーチング技術向上の相談相手として彼に連絡を取った」

 コーチのノウハウを学ぶことに意欲を見せ始めたマリー氏。懸命な下積みを経て、またいつか指導者として活躍する姿を多くのファンが期待している。

文●中村光佑

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