「FISUワールドユニバーシティゲームズ2025」のテニス競技（７月17日～26日／ドイツ・エッセン／クレーコート）は10日間の日程を終え、日本代表が大活躍を見せた。男子シングルス、女子ダブルス、ミックスダブルスで金メダルを獲得。各種目の成績によって決まる団体でも男女とも１位となり、計５つの金メダルを積み上げた。

　ワールドユニバーシティゲームズは“学生のオリンピック”と言われる総合競技大会で、２年ごとに開催される。かつては「ユニバーシアード」の名で親しまれたが、2021年から現在の名称に変更された。

　男女各４名が代表に選出された今回の日本チーム。男子シングルスでは第13シードのフレンド・ジェイ ディラン ハラが頂点に立った。フレンドはニュージーランド人の父親と日本人の母親を持ち、アリゾナ大学でプレーする21歳。ATPランキングは現在839位だが、準々決勝では第４シードで307位の選手に快勝。決勝では第12シードのトビー・サミュエル（イギリス／889位）との激闘を6-1、4-6、7-5で制し、金メダルを手にした。

　もう１人本戦に出場したノーシードの髙悠亜（日本大学）は、３回戦で第８シードの中国選手を破るも、４回戦でドイツ選手に敗退。また田中佑（筑波大学）／丹下颯希（日大）で臨んだ男子ダブルスも準々決勝で敗れ、メダルにはあと一歩届かなかった。
  　一方女子ではダブルスでカジュール・オヴィアンジュ（オクラホマ州立大学卒）／山口花音（関西大学）のペアが金メダルに輝いた。カジュールは父親がナイジェリア人、母親が日本人で、ジュニア時代は日本の主要大会で活躍。山口は昨年のインカレ・シングルス女王だ。ノーシードながら２回戦で第１シードのチェコペアを下して波に乗ると、準決勝では第４シードの中国ペア、決勝では第３シードの台湾ペアと、上位シード勢を連破し、頂点に上り詰めた。

　女子シングルスには山口と23年インカレ女王の吉本菜月（筑波大）が出場したが、山口は初戦で敗れ（コンソレーションで優勝）、吉本は３回戦敗退。しかし吉本と男子単優勝のフレンドのペアで臨んだ混合ダブルスでは気を吐いた。

　初戦で南アフリカペアにマッチタイブレーク10-8で競り勝つと、以降は勢いに乗って全てストレート勝ち。第７シード、第１シードの相手も寄せ付けず、金メダルへと突き進んだ。この結果、個人戦で３つの金を手にした日本は、団体でも男子がイギリスを抑え１位、女子はスロバキアを抑え１位となり、２つの金メダルを加えている。

【日本選手の結果】
■男子シングルス：フレンド・ジェイ ディラン ハラ（アリゾナ大）⇒金メダル、髙悠亜（日大）⇒４回戦、田中佑（筑波大）⇒コンソレベスト８、丹下颯希（日大）⇒コンソレ２回戦
■女子シングルス：吉本菜月（筑波大）⇒３回戦、山口花音（関大）⇒１回戦・コンソレ優勝
■男子ダブルス：田中／丹下⇒ベスト８
■女子ダブルス：カジュール・オヴィアンジュ（オクラホマ州立大卒）／山口⇒優勝
■混合ダブルス：フレンド／吉本⇒優勝

構成●スマッシュ編集部

【画像】男子単で金メダル！ 日本のフレンド・ジェイ ディラン ハラを紹介する大会インスタグラム

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