このような現象が起きた理由として、内島は「中国での大会開催期間が、例年より長かった」ことを挙げた。それは今年から、一部のハイグレード大会の開催期間が、従来の1週間から2週間弱へと延びたことにある。
9月末に北京で開催される「チャイナオープン」(WTA1000)も、その1つ。そのため北京、そして翌週の武漢大会(WTA1000)に出場した選手たちは、3週間中国に滞在することとなった。
加えて今年は、国別対抗戦「ビリージーンキングカップ・ファイナルズ」も深圳で開催。そのため、こちらに出場した選手たちは、ほぼひと月を中国で過ごしたことになる。
また、WTA1000のハイレベルな大会が続いた後なだけに、勝利が期待できるWTA250のジャパンオープンを選ぶ選手たちもいた。現在17位のリンダ・ノスコワも、そのような1人である。それら複合的な要因により、今年は武漢大会後に、来日した選手が多かったようだ。
内島も個人的に、選手仲間から、「今年は大阪と東京に行くのが楽しみ」の声を多く聞いたという。ただいざ出場選手リストが発表されると、「なんで今年は、こんなにカットオフが高いの!?」と言われたとも......。
内島にしても、その思いは同じ。「多くの選手が、日本が好きだ、日本に行きたいと言ってくれるのはうれしいけれど、カットが高くなっちゃうのは困りますね」と、複雑な笑みを浮かべた。
この現象はシングルスだけでなく、ダブルスでも見られた。ジャパンオープンを制したテイラー・タウンゼント/クリスティナ・ムラデノビッチのうち、タウンゼントは現在ダブルス世界ランキング2位。ムラデノビッチにしても、6度のグランドスラム優勝を誇る元世界1位である。
ダブルスでジャパンオープンと東レPPO両方に出場した二宮真琴も、今年のカットオフの高さに肝を冷やした1人。東レPPOは、直前で加藤未唯と組むことになったため出場できたが、当初予定していたペアとでは、出られないところだったという。
やはり二宮も、「多くの選手が、日本に行きたいと言うのを聞いた」と言う。
加藤は「今年1月の時点で、4月のビリージーンキングカップで日本に行くことが決まっていた選手が、『今年は2回も東京に行ける!』とハイテンションで喜んでいた」と証言。「インスタなどを見ても、はしゃいでいる選手が多い」と、東京人気にも言及した。
ツアーラストスパートのこの時期、東レPPOに出場している選手たちは、それぞれの立場に応じて、各々の目的と情熱を胸に日本で戦っている。そのような背景を思いながら試合を見ると、一層、趣きも増すだろう。
取材・文●内田暁
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9月末に北京で開催される「チャイナオープン」(WTA1000)も、その1つ。そのため北京、そして翌週の武漢大会(WTA1000)に出場した選手たちは、3週間中国に滞在することとなった。
加えて今年は、国別対抗戦「ビリージーンキングカップ・ファイナルズ」も深圳で開催。そのため、こちらに出場した選手たちは、ほぼひと月を中国で過ごしたことになる。
また、WTA1000のハイレベルな大会が続いた後なだけに、勝利が期待できるWTA250のジャパンオープンを選ぶ選手たちもいた。現在17位のリンダ・ノスコワも、そのような1人である。それら複合的な要因により、今年は武漢大会後に、来日した選手が多かったようだ。
内島も個人的に、選手仲間から、「今年は大阪と東京に行くのが楽しみ」の声を多く聞いたという。ただいざ出場選手リストが発表されると、「なんで今年は、こんなにカットオフが高いの!?」と言われたとも......。
内島にしても、その思いは同じ。「多くの選手が、日本が好きだ、日本に行きたいと言ってくれるのはうれしいけれど、カットが高くなっちゃうのは困りますね」と、複雑な笑みを浮かべた。
この現象はシングルスだけでなく、ダブルスでも見られた。ジャパンオープンを制したテイラー・タウンゼント/クリスティナ・ムラデノビッチのうち、タウンゼントは現在ダブルス世界ランキング2位。ムラデノビッチにしても、6度のグランドスラム優勝を誇る元世界1位である。
ダブルスでジャパンオープンと東レPPO両方に出場した二宮真琴も、今年のカットオフの高さに肝を冷やした1人。東レPPOは、直前で加藤未唯と組むことになったため出場できたが、当初予定していたペアとでは、出られないところだったという。
やはり二宮も、「多くの選手が、日本に行きたいと言うのを聞いた」と言う。
加藤は「今年1月の時点で、4月のビリージーンキングカップで日本に行くことが決まっていた選手が、『今年は2回も東京に行ける!』とハイテンションで喜んでいた」と証言。「インスタなどを見ても、はしゃいでいる選手が多い」と、東京人気にも言及した。
ツアーラストスパートのこの時期、東レPPOに出場している選手たちは、それぞれの立場に応じて、各々の目的と情熱を胸に日本で戦っている。そのような背景を思いながら試合を見ると、一層、趣きも増すだろう。
取材・文●内田暁
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