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海外テニス

「やり切ったと胸を張って言える」錦織圭、現役引退を決断!日本テニス史に刻んだ不滅の足跡を辿る<SMASH>

中村光佑

2026.05.01

日本のファンに大きな喜びと希望を与えてくれた彼の戦う姿は、たとえコートを去っても私たちの記憶の中で色あせることなく語り継がれていくだろう。(写真は2014年全米オープン)。(C)Getty Images

日本のファンに大きな喜びと希望を与えてくれた彼の戦う姿は、たとえコートを去っても私たちの記憶の中で色あせることなく語り継がれていくだろう。(写真は2014年全米オープン)。(C)Getty Images

 錦織の世界ランキング自己最高位は、15年3月に記録した4位。翌16年にはリオ五輪の3位決定戦で巨星ラファエル・ナダル(スペイン)を破って銅メダルを獲得し、同年9月の全米オープン準々決勝では当時世界1位のアンディ・マリー(イギリス)にフルセットで勝利して4強入りした。17年に右手首の故障で一時戦線を離脱するも、翌18年にはカムバック。ウインブルドンでベスト8、全米で3度目のベスト4と最高峰の四大大会で結果を残してトップ10へ返り咲き、年間成績の上位8名が集結するシーズン最終戦「ATPファイナルズ」にも自身4度目の出場を果たした。

 19年には再び右ヒジを負傷し、21年10月からは左股関節と右足首の故障で約1年半にわたってツアー離脱を余儀なくされた錦織。それでも懸命なリハビリを経て23年6月にカムバックし、下部大会「カリビアン・オープン」では復帰戦優勝。翌24年には「ナショナルバンク・オープン」(ATP1000)と「ジャパンオープン」(ATP500)のツアー2大会で8強入りし、25年1月に出場した「香港オープン」(ATP250)では準優勝を飾った。

 しかしその後はケガとの闘いの連続だった。離脱と復帰を繰り返し、最近は出場大会でも結果を出せない状況が続いていた。今季はここまでチャレンジャー5大会でプレーし、最高成績は2回戦進出。先日の「サバンナ・チャレンジャー」(クレーコート/CH75)における2回戦敗退を最後に休養に入っていた。

 今年3月末には海外メディアを中心に錦織の引退報道が飛び交い、その際に本人は自身のSNSで「またアップデートします」と報告していたのは既報の通り。そして今回の投稿でついに「アップデート」が行なわれ、通算451勝231敗、ツアー12タイトルを誇る輝かしいキャリアに別れを告げる決断を下した。
 
「今日は皆さまにご報告があります。このたび、今シーズンを持って現役を引退する決断をいたしました。小さい頃からテニスに夢中になり、『世界で戦いたい』という思いだけを胸に走り続けてきました。その中でトップの舞台に立ち、トップ10という地位まで辿り着けたことは、自分にとって大きな誇りです」

「度重なるケガとの戦いの中で、思うようにプレーできないもどかしさや、不安に押しつぶされそうになったこともありました。それでも『テニスが好きだ』『もっと強くなれる』という思いが、何度でも自分をコートに戻してくれました。正直に言えば、今でもコートに立ち続けたい気持ちはありますが、これまでの全てを振り返ったとき、『やり切った』と胸を張って言える自分がいます。テニスという競技に出会えたこと、この道を歩んでこられたことを、心から幸せに思います。残りの試合も、一瞬一瞬を大切に、最後まで戦い抜きます」

 おそらく、まだ現実を受け止めきれないファンは多いだろう。それでも、黄金期を築いたビッグ4(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マリー)と同じ時代を渡り歩き、日本男子テニス界の歴史を塗り替えながら、第一線で戦い続けてきた錦織の残された現役生活が、本人にとって納得のいく、そして笑顔で締めくくれるものとなることを願ってやまない。

文●中村光佑

【画像】錦織がSNSを通じて公表した現役引退に関するメッセージ

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