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国内テニス

日本人選手と外国人コーチがタッグを組む時のギャップやコミュニケーション方法【男子テニス】

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2020.05.22

コーチの1人であるサルバドール(右)は、全米オープン優勝の女子選手、ペンネッタのコーチだった。写真:守屋宏紀

コーチの1人であるサルバドール(右)は、全米オープン優勝の女子選手、ペンネッタのコーチだった。写真:守屋宏紀

 日本人のコーチに比べると、海外のコーチはアバウトな印象を受けるが、その点はどうなのだろうか。「僕もそういうイメージでした。たとえば練習時間や練習相手が変わることはよくあります。自分はキッチリやりたいタイプですが、それが全てではなく、そういう部分も楽しんでいくことが良いこともあるとわかりました」

 完璧主義者ほど、うまくいかない時はドツボにハマりがち。しかしテニス人生が常に順風満帆にいくかといえば、それは難しい。苦しい時に、気持ちを楽にして楽しむこと、結果を求めすぎず、自分のプレーの向上に力を入れる方向に目を向けるなど、自分と違う性格のコーチは、新しい刺激を与えくれているようだった。

 スペインはアカデミーが多いだけに、自分が行ったり、来てもらったりして、アカデミー以外の選手との練習機会も多いと言う。一緒に練習した選手やコーチと仲良くなると、遠征先で会った時にも一緒に練習ができたりと、輪がどんどん広がっていくそうだ。

 最初はコーチがそういう機会をアレンジしてくれるが、最終的には自分から積極的に動くことが必要で、守屋自身も、「最初は『アジア人がわざわざヨーロッパのチャレンジャーに来ている』と思われていたと思うんです。でも今では『一緒に練習しようか』という話になります」と、溶け込めている様子である。
 
 そして、海外のアカデミーにいれば、強い選手と練習できる機会があるのもうれしいところだ。実際、守屋は今のコーチの1人が、以前フラビア・ペンネッタ(元女子プロ選手で現在はファビオ・フォニーニの妻)のコーチだったことから、フォニーニと練習ができたと言う。

 守屋とラケットの契約をしているテクニファイバーの伊澤啓氏は、「5年もよく頑張っていると思います」と評価する。海外に拠点を置く選手は増えてきているが、続かないことも多々ある。メンタル的にきつくなったり、金銭的な問題であったりと、理由は様々だろう。

 だからこそ守屋は、海外を拠点にできる環境を手にできていることに感謝し、プラスにしようとしている。「(海外を拠点にできて)良かったと僕自身は思っています。それがたとえ結果にすぐ繋がらなくても、必ず自分の身になっていると思います」

 外国人コーチとのコミュニケーションだけにとどまらず、テニス選手として生きていくためには、自分で考えて決断し、交渉や行動をしていく必要がある。その蓄積を財産に、守屋はこれからも戦っていく。

文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

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