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海外テニス

大坂なおみが広告・契約収入で世界8位。女性アスリート収入上位をテニス選手が独占する市場価値の高さ

内田暁

2020.06.01

女子テニス界に大きな変革をもたらしたビリー・ジーン・キング。(C)Getty Images

女子テニス界に大きな変革をもたらしたビリー・ジーン・キング。(C)Getty Images

 それらの状況に反旗を翻したのがキングであり、その象徴としてのWTA発足だった。グランドスラムの4大会全てで、賞金同額が実現したのが2007年。ただ近年でも、市場原理がより強く働くATP(男子プロテニス協会)及びWTAのツアーでは、同じグレードの大会群で比べた場合、その多くでATPの賞金は女子の倍である。

 さて、『Forbes』誌による“アスリート収入トップ100”に入る女性の多くはテニス選手であると前述したが、女性アスリート限定の収入ランキングに目を移すと、テニスの優位性は一層明確になる。これは2019年発表のデータだが、女性アスリートの高額収入者は、上位11人までをテニス選手が独占した。

 1位S・ウィリアムズ、2位大坂の背後につけるのは、2018年ウインブルドン覇者のアンジェリーク・ケルバー。4位シモナ・ハレップ、5位はスローン・スティーブンスで、6位がキャロライン・ウォズニアッキ。そして7位は、ドーピングによる出場停止から復活してきたマリア・シャラポワだった。この7位のシャラポワまでは、全員が広告・スポンサー収入で400万ドル超え。賞金も去ることながら、知名度や市場価値の高さが伺える。
 
 なおテニス選手以外での最高所得者は、女子サッカーのスーパースター、アレックス・モーガン。サラリーは少ないものの、コカ・コーラに代表されるスポンサー収入で550万ドルを稼いでいる。また、テニスと並ぶ女子人気プロスポーツのゴルフでは、アリヤ・ジュタヌガーンの15位が最高。女性アスリート上位15人中、13人がテニス選手という結果だった。

 長年、女性アスリートの稼ぎ頭であったS・ウィリアムズとシャラポワは、競技の枠を超えたアイコン的存在であり、時代のオピニオンリーダーやロールモデルとしての責務も果たしてきた。
 
 大坂にも今後、そのような役割を求める視線が、より一層多く向けられるかもしれない。そして、国際色豊なバックグラウンドと、既成概念に縛られぬしなやかな感性を持つ彼女にこそ、その地位が相応しい。

文●内田暁
※為替レートは2020年5月30日時点

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