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国内テニス

「世界基準でいく」元世界24位の神尾米さんが、本格的にアカデミーでジュニアを育成していく決意【国内テニス】

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2020.09.22

育成に「どんどんかかわっていく」と言う神尾米さん。写真:滝川敏之(THE DIGEST写真部)

育成に「どんどんかかわっていく」と言う神尾米さん。写真:滝川敏之(THE DIGEST写真部)

 つまり、これが育成専門でやっていける理由である。他のアカデミーよりも月謝は高くなるかもしれないが、練習時間や質を考えれば十分に納得のいく内容にしている。習い事の1つと考えている家族には不向きで、本気で取り組みたい子どもをターゲットにしている。

 アカデミーでは、積極的に大会も開催していく。「世界基準でいきたいから、3セットの大会を行ないます。世界にいくなら3セットを戦える体力を身に付けて、考え方にも慣れる必要があります」。先を見据えて育成する方針に揺るぎはない。

 神尾さんは本玉のコーチとして遠征に帯同することがあるため、シフトに名前は入っていないが、「日本にいる時はどんどんかかわっていきます。コートにも立って、経験者として色々言わせてもらいます」と言う。
 
 世界を経験した人がいると、道筋が見えているから安心だし、練習の質や思考も世界レベルに引き上げられる。本気でプロを目指す子どもにとっては、「チームサンプラス」がその入り口となるかもしれない。

 ただし、デメリットも存在する。更衣室が小さくてシャワーがない。そして、コートがある場所は遊水池なので雨が降ると冠水する。水が引く前に、ホースで水をまいてコートを奇麗にしなくては泥が残ってしまう。なかなかハードな環境だと思ったが、神尾さんは意に介していない。

「(この状況は)意外に好き。ここで生きていく(拠点にする)なら、こういうことも楽しんでやる。自分たちで切り開いていかないと! なかなか面白い人生じゃない?(笑)」

 さすが、元世界24位は度量が違う。神尾さんの教え子なら、厳しい世界も戦い抜いていきそうだ。

取材・文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

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