新型コロナウイルスの感染拡大により、国境を越えた移動が大きく規制される昨今では、日本国内の大会増加や環境拡充は、テニス人気の火を消さぬための必須条件であるだろう。
それはジュニアだけでなく、ツアーレベルで戦うプロも同様だ。世界的に見ても、欧米で賞金大会やエキジビションイベントが複数開催され、日本でも「賞金大会やリーグ戦など、国内でもトッププロが参戦し、お金を稼げるシステムを作るべきだ」との声も一部では上がっている。
ただそのような趨勢は、理念を失うと時代に逆行しかねないと、伊達は見る。
「何を目的にするかがクリアであれば、その(ドメスティックな大会を充実させる)考え方もありなのかなと思いますが……。私的な考えでいうと、環境がハードコートでもレッドクレーでもないなかでやっていくと、本来の目的がどこかを考えていかないと、本当の意味でのドメスティックに過ぎないものになってしまう。世界に向いている目線のレベルを、1つ下げてしまう側面もあると思うんです。
このコロナ禍で、とにかく今は試合数をこなすことが目的だと割り切り、それを全員が認識しているのであれば、サーフェスを問わずやることもありかなとは思います。ですが完全にドメスティックになってしまうのは、私は違うかなと思います」
あくまで目線は世界へ――。
それこそが、彼女の中で変わらぬ哲学。同時に彼女が願うのは、テニスを含むスポーツの火そのものが、このコロナの時代で消えてしまわないことである。
「もちろん、こういう状況のなかで何が大切かと考えた時、スポーツが何より一番とはならないかもしれない。けれど見方を変えれば、今誰もがなかなか好きなことができず、目標を失いがちななかで、こういう時だからこそスポーツが存在し、観客もスポーツを見ることによってモチベーションを上げることにつながると思います。そうであってほしいと思うので、スポーツがなくなるのはできるだけ避けたいと思います」
スポーツで人々に夢を与えるためにも、目指す先はより高い次元へ――。
かつて自分が戦った世界に視線を定め、彼女はその舞台へと続く、順路を築いていく。
取材・文●内田暁
【PHOTO随時更新】世界の舞台で躍動する日本人トップジュニア特集
それはジュニアだけでなく、ツアーレベルで戦うプロも同様だ。世界的に見ても、欧米で賞金大会やエキジビションイベントが複数開催され、日本でも「賞金大会やリーグ戦など、国内でもトッププロが参戦し、お金を稼げるシステムを作るべきだ」との声も一部では上がっている。
ただそのような趨勢は、理念を失うと時代に逆行しかねないと、伊達は見る。
「何を目的にするかがクリアであれば、その(ドメスティックな大会を充実させる)考え方もありなのかなと思いますが……。私的な考えでいうと、環境がハードコートでもレッドクレーでもないなかでやっていくと、本来の目的がどこかを考えていかないと、本当の意味でのドメスティックに過ぎないものになってしまう。世界に向いている目線のレベルを、1つ下げてしまう側面もあると思うんです。
このコロナ禍で、とにかく今は試合数をこなすことが目的だと割り切り、それを全員が認識しているのであれば、サーフェスを問わずやることもありかなとは思います。ですが完全にドメスティックになってしまうのは、私は違うかなと思います」
あくまで目線は世界へ――。
それこそが、彼女の中で変わらぬ哲学。同時に彼女が願うのは、テニスを含むスポーツの火そのものが、このコロナの時代で消えてしまわないことである。
「もちろん、こういう状況のなかで何が大切かと考えた時、スポーツが何より一番とはならないかもしれない。けれど見方を変えれば、今誰もがなかなか好きなことができず、目標を失いがちななかで、こういう時だからこそスポーツが存在し、観客もスポーツを見ることによってモチベーションを上げることにつながると思います。そうであってほしいと思うので、スポーツがなくなるのはできるだけ避けたいと思います」
スポーツで人々に夢を与えるためにも、目指す先はより高い次元へ――。
かつて自分が戦った世界に視線を定め、彼女はその舞台へと続く、順路を築いていく。
取材・文●内田暁
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