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国内テニス

「プロテニス選手会」発足から2年、新会長に就いた内山靖崇が描く、テニス人気底上げのビジョンとは?

内田暁

2020.12.22

コロナ禍で多くの大会が休止中に、選手会が開催した「+POWER CUP」。ジュニアや学生とプロが交流する貴重な機会となった。写真:スマッシュ編集部

コロナ禍で多くの大会が休止中に、選手会が開催した「+POWER CUP」。ジュニアや学生とプロが交流する貴重な機会となった。写真:スマッシュ編集部

“テニスの普及”としては、定期的に開催する練習会や、エキジビション大会“+POWER CUP(プラスパワーカップ)”開催が大きかっただろう。このイベントの勘所は、プロを志すジュニアや学生も参戦し、選手会所属の選手たちと交流を持てた点にある。未来を担う若手に世界への道を示し、その順路を築くことも、選手会の理念の1つだからだ。

 一方で、2年間の活動を通じ内山が痛感した課題が、「選手の意見や希望を、実現することの難しさ」だったという。その困難さの源泉とは、「個人競技の選手の集まりなので、それぞれが求めるものや理想が違う」という、テニスの競技性に根差したプレーヤーの多様性だ。

「それぞれの考えがあるのはすごく良いことですが、簡単には決まらない。例えば、選手会で大会を作ろうとなった時、JOP(JTAポイント獲得可能な国内賞金大会)が主戦場の人はJOP大会、フューチャーズの人はフューチャーズ、チャレンジャーの人はチャレンジャーが欲しいと当然なりますから」
 
 選手により目標や活動の場が異なるのは、テニスが個人競技である以上、消えることのない命題だろう。そのうえで内山は、「世界への挑戦」を大前提とした国内の環境整備を、個人的には考えていると言った。

「以前の僕は、国内大会やリーグ戦を盛り上げることが、日本テニス界には必要だと思っていました。ただテニスがチームスポーツと異なるのは、実績や知名度がなくても、いきなり世界に挑める点なんです。

 野球やサッカーなら国内リーグだけでも完結できるし、世界を目指したければ、国内で実績を残すことが近道になる。でもテニスでは、若い時に世界を目指しいろいろ経験することが大きいと思います。

 やはりテニスの主戦場が欧米で、その頂点がグランドスラムであることは、この先も変わらないでしょう。だったら、日本国内で国際大会を開催することが重要だと今は思っています」
 

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