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海外テニス

大坂なおみ、次戦はツアー初対戦のジャブ―ル。得意の“データ照合能力”でトリッキーな相手を攻略できるか?

内田暁

2021.02.11

次戦の相手は第27シードのジャブ―ル。トリッキーなプレーを攻略できるか?(C)Getty Images

次戦の相手は第27シードのジャブ―ル。トリッキーなプレーを攻略できるか?(C)Getty Images

 この2つは、相互に綿密に作用しているだろう。大坂は、実質初対戦と言えるガルシアとの試合を控え、まずはコーチのフィム・フィセッテと共に試合動画を多く見て、状況ごとの戦い方を話し合った。

 さらに興味深いのは、彼女の“データ照合能力”だ。
 初対戦の相手との試合をイメージする際、彼女は「過去に対戦した選手の情報を引っ張ってくる」のだという。

「例えば、凄くサービスの良い相手と対戦する時は、2年前のここの決勝でペトラ(・クビトワ)との試合、あるいは昨年の全米オープン準決勝での(ジェニファー・)ブレイディと戦った時の感覚を思い出そうとするの」
 
 そのようにして、フォアハンドは誰、バックハンドやスライスを打つタイミングはどの選手……という風に、彼女は初めて対峙する選手のイメージを、自分の中で構築していく。そのプロセスはまるで、ビデオゲームで“マイキャラクター”を作る時のようだが、思えば大坂はRPGなどのゲーム好き。もしかしたらそれらから、着想を得ているのかもしれない。

 そのような視点で見た時、次戦の顔合わせも実に趣き深い。
 3回戦の相手は、ツアーきってのトリッキーなテクニシャンとして知られる、オンス・ジャブール。奇遇にもジャブールとも、5年前の“ライジング・スター”が唯一の対戦であり、公式戦では次が初対戦となる。

 それでも、14歳からプロとして数々の実戦を重ねてきた大坂には、蓄積してきた膨大なデータがある。ジュベールのドロップショットを、誰のイメージと重ねるのか? 突如放たれるフラットの強打への対処法は、誰との試合から応用するのか? 

 今や、誰からも標的とされる地位に立つ大坂の、真価が問われる一戦になりそうだ。

文●内田暁

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