この2つは、相互に綿密に作用しているだろう。大坂は、実質初対戦と言えるガルシアとの試合を控え、まずはコーチのフィム・フィセッテと共に試合動画を多く見て、状況ごとの戦い方を話し合った。
さらに興味深いのは、彼女の“データ照合能力”だ。
初対戦の相手との試合をイメージする際、彼女は「過去に対戦した選手の情報を引っ張ってくる」のだという。
「例えば、凄くサービスの良い相手と対戦する時は、2年前のここの決勝でペトラ(・クビトワ)との試合、あるいは昨年の全米オープン準決勝での(ジェニファー・)ブレイディと戦った時の感覚を思い出そうとするの」
そのようにして、フォアハンドは誰、バックハンドやスライスを打つタイミングはどの選手……という風に、彼女は初めて対峙する選手のイメージを、自分の中で構築していく。そのプロセスはまるで、ビデオゲームで“マイキャラクター”を作る時のようだが、思えば大坂はRPGなどのゲーム好き。もしかしたらそれらから、着想を得ているのかもしれない。
そのような視点で見た時、次戦の顔合わせも実に趣き深い。
3回戦の相手は、ツアーきってのトリッキーなテクニシャンとして知られる、オンス・ジャブール。奇遇にもジャブールとも、5年前の“ライジング・スター”が唯一の対戦であり、公式戦では次が初対戦となる。
それでも、14歳からプロとして数々の実戦を重ねてきた大坂には、蓄積してきた膨大なデータがある。ジュベールのドロップショットを、誰のイメージと重ねるのか? 突如放たれるフラットの強打への対処法は、誰との試合から応用するのか?
今や、誰からも標的とされる地位に立つ大坂の、真価が問われる一戦になりそうだ。
文●内田暁
【PHOTO】2度目の全豪オープン制覇へ! メルボルンで躍動する大坂なおみ
さらに興味深いのは、彼女の“データ照合能力”だ。
初対戦の相手との試合をイメージする際、彼女は「過去に対戦した選手の情報を引っ張ってくる」のだという。
「例えば、凄くサービスの良い相手と対戦する時は、2年前のここの決勝でペトラ(・クビトワ)との試合、あるいは昨年の全米オープン準決勝での(ジェニファー・)ブレイディと戦った時の感覚を思い出そうとするの」
そのようにして、フォアハンドは誰、バックハンドやスライスを打つタイミングはどの選手……という風に、彼女は初めて対峙する選手のイメージを、自分の中で構築していく。そのプロセスはまるで、ビデオゲームで“マイキャラクター”を作る時のようだが、思えば大坂はRPGなどのゲーム好き。もしかしたらそれらから、着想を得ているのかもしれない。
そのような視点で見た時、次戦の顔合わせも実に趣き深い。
3回戦の相手は、ツアーきってのトリッキーなテクニシャンとして知られる、オンス・ジャブール。奇遇にもジャブールとも、5年前の“ライジング・スター”が唯一の対戦であり、公式戦では次が初対戦となる。
それでも、14歳からプロとして数々の実戦を重ねてきた大坂には、蓄積してきた膨大なデータがある。ジュベールのドロップショットを、誰のイメージと重ねるのか? 突如放たれるフラットの強打への対処法は、誰との試合から応用するのか?
今や、誰からも標的とされる地位に立つ大坂の、真価が問われる一戦になりそうだ。
文●内田暁
【PHOTO】2度目の全豪オープン制覇へ! メルボルンで躍動する大坂なおみ