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国内テニス

女子テニスの本藤咲良が22歳で現役引退!キャリア最後の全日本初戦敗退も「まったく未練はありません」と晴れ晴れ<SMASH>

内田暁

2021.11.01

プロ最後の試合を終えた木藤(右)と対戦相手のリュー・理沙マリー(左)。写真提供:内田暁

プロ最後の試合を終えた木藤(右)と対戦相手のリュー・理沙マリー(左)。写真提供:内田暁

 自己最高175位の清水綾乃は、本藤の同期にして高崎テニスクラブの仲間。ジュニア時代から頭角を現した清水は、本藤にとって「レベち(レベルが違う)」の存在だった。

 それでも本藤は、「勝手に、綾乃を自分のライバルだと決めていた」と声をあげて笑う。

「綾乃が居なかったら、とっくにテニスは辞めていた」とまで執着するその存在に勝利したのは、プロ転向3年目。

 テニスを続ける理由の一つは、この時に証明した。「高校時代の実績はなくても、世界の500位まで行けるというモデルケースにもなった」と松田も言う。

 周囲は22歳の決断に、「早すぎる」と声をそろえる。ただ本藤は「まったく未練はないです」と、「ま」の音に力を込めた。

 負けたら終わりの全日本に挑む本藤に、緊張や特別な感慨はなかったという。

 対戦相手が、歳の近いリュー・理沙マリーであることも、晴れやかさを演出した一因だろう。

 手首の状態が万全ではなかったことが唯一の心残りではあるが、コート上で「すべて出し切った」。
 
 敗戦の瞬間、胸を占めた想いは何にも増して、「楽しかった!」という幸福感。

「今日の試合だけでなく、これまでのテニスキャリア、十分楽しんだなって」

 こぼれた涙の成分は、嬉しさ半分、そして、これまで関わってきた人々の想いの反映が半分。その後者の成分には、「私との試合が最後だなんて…」と流すリューの涙も含まれていた。

 引退後のプランは、現在は白紙だという。

 型にハマらず、後ろは振り返らない。

 プレー同様に、歯切れ良い清々しい幕引きだった。

取材・文●内田暁

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