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海外テニス

アルカラスによる“革命”か、ジョコビッチやナダルの“ルネサンス”か。混沌とした男子テニス界を徹底分析【全仏OP展望】

THE DIGEST編集部

2022.05.22

 ただナダルに関しては、ケガという不安材料がある。今年2月の全豪は制したものの、その後は肋骨の疲労骨折でコートを離れた。前哨戦のイタリア国際では、古傷の足の痛みが再発し、足を引きずりながらの敗戦を喫している。

 もっともナダルは、「そんなのは、自分にとっては普通のこと」と、ことさら悲観視はしない。過去13回優勝している全仏のコートに立った時、ナダルの全身にみなぎる力は未知数だ。たとえ、今季のクレーでタイトルがなくても、ナダルを優勝候補から外すことはできない。

 そのナダルと並ぶ優勝候補は、もちろん、前年優勝者にして現世界1位のジョコビッチだ。

 今季は、ワクチン未接種のために全豪オープン、さらには3月に北米で開催されたマスターズ2大会にも出場できず。ジョコビッチといえど実戦不足による体力や試合勘の低下はいかんともしがたく、今季最初の3大会では無冠だった。

 ただ直近のイタリア国際では、全盛期を彷彿させる強さを発揮し頂点へ。勝ち方を思いだしたジョコビッチの視界には、ナダルに並ぶ通算21回目のグランドスラム優勝が見えているだろう。

 そのジョコビッチと初戦で当たるのは、日本の西岡良仁(ミキハウス)だ。両者は過去に2度対戦し、西岡はまだジョコビッチから、1セットあたり4ゲーム以上取れていない。2年前の全豪オープン3回戦時の対戦後には、「認めたくないですが、今の僕ではまだジョコビッチ選手に勝てない」という、実直で印象的な言葉も残している。

 それから2年。すでに「どんなボールでも返してくる、サウスポーの戦略家」の評判をツアーに轟かせる西岡が、王者相手にいかなる戦術を仕掛けてくるか? 彼のジャイアントキリングにも注目したい。

 もう一人の日本人シングルス勢は、29歳にして成長著しいダニエル太郎(エイブル)。現在のランキングこそ105位だが、今季の獲得ポイントの累計で見る“レース”順位では69位。

 サーブの大幅強化と攻撃的なプレースタイルへのシフトを成した、この1年。さらに最近では、スポーツサイコロジストを“コーチ”とし、データを分析する“アナリスト”をチームに加える新体制を確立した。新たな試みでさらなる革新を目指すダニエルの姿勢は、今後の日本テニス界に道を示す可能性もある。その意味でも、彼がどんな戦いを披露してくれるか楽しみだ。

 世代交代と超攻撃化が進む男子テニス界の趨勢にあって、今年の全仏が内包するテーマは二つ。新たな世代が革命を成すのか? あるいは、ジョコビッチやナダルによる“ルネサンス”が起こるのか? のちに歴史の転換期として語られる大会になる気配が漂っている。

取材・分●内田暁

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