「元女子選手である私でも、今の時代においては、男子の試合の方が魅力的であると言わざるをえない」。自分の思いを置き換える言葉を慎重に探しつつ、モーレスモはこうも続ける。
「ドローが組み上がった時、顔合わせやスター性など、いろんな面を考慮しどの試合が良いか毎日考え続けてきた。その上で、一日に一試合しかないナイトセッションに、どの試合を入れるか決めるのは本当に難しかった」
これら一連の発言は、トーナメントディレクターによる女子テニス軽視の向きとして、多方面に波紋を及ぼした。
モーレスモの会見と同日に行なわれた試合後の会見で、この件について問われた世界1位のシフィオンテクは、既に全てを把握していた風情で即座に応じた。
「WTAの選手であった彼女の発言に、少し残念に思うし驚いてもいる」。また、「決められたことには従う」としながらも、「常にエンターテインメント性に溢れたテニスをしようと思っている。つらいと感じた時に言い聞かせるのは、観客のために試合をしているのだということ」と、女子テニス界の顔としての矜持を静かな口調に滲ませた。
多くの批判を受けたことに「驚いた」というモーレスモは、翌日、自ら数人のジャーナリストに声を掛け、女子選手たちに謝罪したことを明かした。また、現地を訪問していたWTA創設者のビリージーン・キング氏とも、話し合いを持ったと言う。
そのビリージーン・キング氏は、モーレスモの発言に、「何かアクションを起こさないと、私たちは二級市民のまま」と釘を指すも、「彼女はまだトーナメントディレクター1年目。どんどん良くなっていくはず」とエールも送る。
ナイトセッションに関しては既に、チケット販売や、放映権を持つアマゾン・プライムの視聴者数など、データは出揃っているという。
現役時代のモーレスモは、攻撃テニスを身上としつつ、多彩なショットで相手のプレーに適応する能力にも長けた。トーナメントディレクターとしても、同様の資質を発揮できるか? ここからが腕の見せどころだ。
現地取材・文●内田暁
【PHOTO】なかなか見られないトッププロの練習やテニス教室の様子
「ドローが組み上がった時、顔合わせやスター性など、いろんな面を考慮しどの試合が良いか毎日考え続けてきた。その上で、一日に一試合しかないナイトセッションに、どの試合を入れるか決めるのは本当に難しかった」
これら一連の発言は、トーナメントディレクターによる女子テニス軽視の向きとして、多方面に波紋を及ぼした。
モーレスモの会見と同日に行なわれた試合後の会見で、この件について問われた世界1位のシフィオンテクは、既に全てを把握していた風情で即座に応じた。
「WTAの選手であった彼女の発言に、少し残念に思うし驚いてもいる」。また、「決められたことには従う」としながらも、「常にエンターテインメント性に溢れたテニスをしようと思っている。つらいと感じた時に言い聞かせるのは、観客のために試合をしているのだということ」と、女子テニス界の顔としての矜持を静かな口調に滲ませた。
多くの批判を受けたことに「驚いた」というモーレスモは、翌日、自ら数人のジャーナリストに声を掛け、女子選手たちに謝罪したことを明かした。また、現地を訪問していたWTA創設者のビリージーン・キング氏とも、話し合いを持ったと言う。
そのビリージーン・キング氏は、モーレスモの発言に、「何かアクションを起こさないと、私たちは二級市民のまま」と釘を指すも、「彼女はまだトーナメントディレクター1年目。どんどん良くなっていくはず」とエールも送る。
ナイトセッションに関しては既に、チケット販売や、放映権を持つアマゾン・プライムの視聴者数など、データは出揃っているという。
現役時代のモーレスモは、攻撃テニスを身上としつつ、多彩なショットで相手のプレーに適応する能力にも長けた。トーナメントディレクターとしても、同様の資質を発揮できるか? ここからが腕の見せどころだ。
現地取材・文●内田暁
【PHOTO】なかなか見られないトッププロの練習やテニス教室の様子