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海外テニス

ジョコビッチらかつての優勝メンバーが集結したデ杯セルビア戦で、錦織欠く日本チームが体感したもの

内田暁

2019.11.21

シングルス2で登場した杉田は、クライノビッチに敗れる。(C)Getty Images

シングルス2で登場した杉田は、クライノビッチに敗れる。(C)Getty Images

 このジョコビッチの勝利により、チームとしての決着はついた後のダブルスに登場したのが、ティプサレビッチとトロイツキである。ただ、翌日のフランス戦の結果いかんでは、全試合の結果が決勝トーナメント進出争いに影響するセルビアにとっては、決して消化試合ではない。

 対するマクラクランと内山にしても、一矢報いてシーズンを良い形で終えたいとの強い想いがある。果たして、両チームの想いがぶつかり合った一戦は両セットともタイブレークの接戦となるが、そのいずれも制したセルビアペアが、チームに3勝目をもたらした。

 18カ国が一都市に集い、わずか1週間で勝者を決する“ワールドカップ型”として初のデビスカップ・ファイナルで、日本はラウンドロビン敗退でマドリードを後にすることになった。

 それでも、エースの錦織を欠きながらフランスとセルビア相手に戦った経験は、課題も含め、多くを得た大会でもあったはずだ。
「ものすごい責任を感じています。(セルビアに)絶対的なエースがいるなか、僕が取らなくてはいけないと重々承知した中でのあのパフォーマンスは悔しい」と自らを責めた杉田ではあるが、「この試合をしっかり受け止めて反省し、下を向かずに、もっともっと先を見据えたプレーをしなくてはいけない」と前を向いた。
 
 トップ10選手と連戦した西岡は「すごくたくさんのことを経験できたデビスカップだった」と明言し、マクラクランと内山も「来年は強いチームになれる」(マクラクラン)、「この差は来年必ず埋められる」(内山)と言葉に力を込める。
 
「これで今シーズンは終わりますが、この強い2カ国と戦った経験は来季必ずツアーで生かしてくれると信じています」
 そう選手にエールを送る岩渕監督は、その場にいる全員に約束するかのように、戦いの終わりに宣言した。
「来年は、今回より強いチームでデビスカップに挑みたいと思います」と。

■日本対セルビア 試合結果
杉田祐一 2-6 4-6 フィリップ・クライノビッチ
西岡良仁 1-6 2-6 ノバク・ジョコビッチ
マクラクラン勉/内山靖崇 6-7(5) 6-7(4) ヤンコ・ティプサレビッチ/ビクトル・トロイツキ

取材・文●内田暁
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