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国内テニス

【ビリー・ジーン・キング・カップ】日本女子はウクライナに3連敗を喫してプレーオフ敗退決定!<SMASH>

内田暁

2022.11.13

試合後は日本とウクライナの両チームが一つになって記念写真に納まった。写真:THE DIGEST 写真部

試合後は日本とウクライナの両チームが一つになって記念写真に納まった。写真:THE DIGEST 写真部

 一方、ウクライナのシングルス1を背負うコスチュクは、チームの命運が自身の双肩に掛かっていることを受けとめ、その上で「目の前の1試合に集中する」と初日の時点で明言していた。

 同時に20歳の若きエースは、「母国では大変なことが起きている。私たち選手以上に大変な思いをしているのは子どもたち」と訴え、使命感を胸にコートに立っているようだった。

 内島戦後のコスチュクは、主審との握手を終えると真っ先に対戦国側のベンチへと掛け寄り、日本チーム選手やスタッフ全員と握手を交わした。

 セレモニー後には、この日の試合会場に招待された日本滞在ウクライナの方々もコートに降り、母国代表の選手たちと喜びを分かち合った。

 最後の勝利会見では、ウクライナのミハイル・フィリマ監督自ら「最後に一言良いですか?」とマイクを手にし、「日本テニス協会の皆さん、改めてありがとうございます」と謝意を述べる。
 
「会場から滞在先まで、心地よい時間を過ごすことができました。まるでホームのように感じられました」と篤実に語り、さらにこうも続けた。

「日本のファンの方たちも、本当に素晴らしい。日本とウクラナ両方の国旗が付いているシャツを着ていたり、どちらのチームがポイントを取っても公平に拍手をしてくれました。最高の雰囲気でした、本当に感謝しています」

 最後に「We Love Japan」と監督が言うと、会見に参席した選手たちからも賛同の拍手が起きた。

 日本の土橋登志久監督は、今回のウクライナチームについて「やはり厳しい状況の中で、覚悟が決まっている。隙が全く見られなかった」と、その団結力や選手個々の気構えに敬意を表した。

 フィリマ監督が開幕前の会見で熱く語ったのは、「我々は国を代表し、国旗を背負い、世界中にメッセージを発信するために、ここに居る」との確固たる決意。

 その想いをチーム全員がコートで示した、チーム・ウクライナの勝利だった。

 なおウクライナの勝利が決まった時点で、予定されていた土居美咲対カタリナ・ザワツカの試合はキャンセルに。ダブルスの青山修子/柴原瑛菜対キチェノク/ザワツカが繰り上げで行なわれ、青山/柴原組が6-3、6-3で勝利し一矢を報いた。


■大会2日目の結果(11月12日)
内島萌夏 0-6、3-6 マルタ・コスチュク
※勝敗が決したためシングルスの残り1試合は実施せず
青山修子/柴原瑛菜 6-3、6-3 カタリナ・ザワツカ /リュドミラ・キチェノク

取材・文●内田暁

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