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海外テニス

「強い人間」を指標するダニエル太郎が元世界6位のベレッティー二に勝利し3回戦へ!<SMASH>

内田暁

2023.03.12

勝ち切ったダニエルは、第3セットでリターンから積極的に攻め、股抜きショットなど多彩なプレーを織り交ぜた。(C)Getty Images

勝ち切ったダニエルは、第3セットでリターンから積極的に攻め、股抜きショットなど多彩なプレーを織り交ぜた。(C)Getty Images

 だからこそ第3セットでのダニエルは、相手の武器であるサービスを、リターンで崩しに掛かった。

「この大会はコンディション的にボールが遅いこともあり、リターンはいろいろ工夫しました。セカンドサービスのときに自分が積極的に攻めると、相手もファースト(サービス)をミスしてくれるようになる。そのあたりの駆け引きもうまくできたと思います」

 それらリターンでの揺さぶりに加え、第3ゲームでは“股抜きショット”で、華やかなポイントを得る。それも、やみくもに打ったショットではない。

「ここはボールが上がりにくいので、ロブは難しい。自分のポジションもそこまで後ろではなかったので、思いっきり打ちました」
 
 瞬時の判断で放つトリッキーショットが、ベレッティーニのボレーミスを誘う。熱狂的なカリフォルニアのファンを味方につけ、ベレッティーニの内面にも傷を与えただろうこの一打が、試合の趨勢を決した。

 2大会連続で上位選手から手にした勝利は、ダニエルが進むべき道をさらに切りひらく。

 難関を突破した後の3回戦でダニエルを待つのは、第10シードのキャメロン・ノーリー。南アフリカに生まれ、ニュージーランド移住を経て英国籍を取得し、アメリカの大学卒業後にトップ10入りしたノーリーを、ダニエルは「凄く尊敬しているし憧れでもある」と表した。

 同時に「強くなるには色んなルートがあるし、自分もできると思わせてくれる」と、その躍進に勇気を得てきたともいう。

 自身の未来像を重ねる苦労人との対戦は、“強い人間”を指標するダニエルにとって、格好の試金石となる。

取材・文●内田暁

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