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海外テニス

難敵ズベレフに完勝したダニエル太郎が試合を振り返る「こういうことができると前から信じていた」<SMASH>

内田暁

2023.03.25

ズベレフ(右)に勝つのは特別なことかという問いに、ダニエル(左)は「半々くらい」と答えた。自信はあったが、このスコアは本人も予想していなかった。(C)Getty Images

ズベレフ(右)に勝つのは特別なことかという問いに、ダニエル(左)は「半々くらい」と答えた。自信はあったが、このスコアは本人も予想していなかった。(C)Getty Images

 そう言いダニエルは、満足そうな笑みをこぼす。とりわけこの日の試合で威力を発揮したのは、フォアハンド。それは前週のBNPパリバ・オープン時に、ダニエルが「課題」に上げていた点だ。

「フォアで自分から支配する」のが彼の求めるテニスであり、6-0、6-4のスコアは、そのテーマ完遂を意味していた。マイアミ・オープン開幕前も、“アドバイザー”のスベン・グローネフェルトと共に、フォアを重点的に磨いてきたという。

 2月に世界4位のルードにも勝ったダニエルは、もはやズベレフ戦の勝利も、特別なこととは感じていないのだろうか?

 その問いに“30歳の成長株”は、「半々くらいですかね」と応じる。

「自分がこういうことをできるというのは、前から信じていた。でもズベレフ相手に6-0、6-4のスコアで勝てるとまでは、なかなか思えなかった」
 
「あと今までは、先週の大会で良い結果を残せていると、『一回くらい気持ちを抜いても良いかな』と思ってしまうこともあった。でも今回は、『またここから連戦だ』みたいな気持ちで取り組めたことは、すごい良いこと。この波を逃さず、一度リラックスしてから、また上げていきたい」

 難関ズベレフを突破した先では、現在好調の23歳、エミル・ルースブオリがダニエルを待つ。

「クールで、常に安定した良いプレーをする」と警戒する世界54位は、安定感を次なるテーマとするダニエルにとって、格好の試金石になる。

現地取材・文●内田暁

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