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海外テニス

ダニエル太郎、世界12位に惜敗するも自信を得た2週間。「パリまでにメダルが取れる選手に」と視線は五輪に向く<SMASH>

内田暁

2023.03.13

この2週間で世界4位のルードや元6位のベレッティーニを破ったダニエル太郎。大きな自信を手にし、新たな目標としてパリ五輪でメダルを取ることを掲げた。(C)Getty Images

この2週間で世界4位のルードや元6位のベレッティーニを破ったダニエル太郎。大きな自信を手にし、新たな目標としてパリ五輪でメダルを取ることを掲げた。(C)Getty Images

 予選から含めて、これが今大会5試合目。そのうち3試合が、フルセットの熱戦だ。それでもダニエル太郎は、「試合中に疲れは感じなかった。疲労が負けた理由ではない」と明言する。

 男子テニスツアー「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート/ATP1000)のシングルス3回戦。第10シードのキャメロン・ノーリー(イギリス)との戦いは、第1セットをタイブレークで競り勝つも、最終的には7-6(5)、5-7、2-6の逆転負けを喫する。それも第2セットはゲームカウント4-1とリードし、勝利まで2ゲームに迫りながらの惜敗だった。

 第2セットでブレークを許した数ゲームを、ダニエルは「ちょっとアンラッキーだった」と振り返る。最初にブレークされたゲームでは、ベースライン付近で見ていた観客から「今のアウトでしょ?」と声が上がるほどに、ノーリーの深いショットが立て続けにラインに乗った。

 もう一つのゲームでは、芯を外した相手のショットが浅く入る場面があった。不運も重なる流れで第2セットを失った時は、さすがに「久しぶりに気持ち的に、どうしようと焦った」という。加えてノーリーの壁のように穴のないプレーにも、ダニエルは重圧を感じていた。
 
 世界ランキング12位のサウスポーは、際立ったわかりやすい武器や、見た目に派手なプレーは少ない。ダニエルも「特別なことをしてくる選手ではない」と言うが、それは逆説的にベースの高さを示しもする。

「ノーリーは、どこに打っても常にそこにいる感じ。ミスなくしっかり打ち込んでくるし、攻める時にはバッと前に出てくる力もある」

 加えて「フォアとバックでショットのタイプが全然違う」ことも、対応が難しい要因。

「バックは鉄みたいにフラット(無回転)で打ってきて、しかも少しスライスする感じ。逆にフォアは、スピンがかっていてすごく跳ねる」

 それら異なる球種が常に深く返ってくるため、一瞬でも気を緩めたら流れを失う怖さがある。
 
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