世界7位のオンス・ジャバーは、会見でこのアプリについて問われるまで、存在を知らなかった様子。
「本当に? 知らなかったけれど、それは素晴らしいアイディアね!」
その存在を知ったジャバーは、「ぜひ使いたい。だって私、たくさん(ヘイトメッセージを)受け取っているから」と苦笑いを浮かべて、こう続けた。
「私たちがよく話すのは、私たちは賭けを許されていないけれど、“賭けられる”側にはなり、そのせいでヘイトメッセージや脅迫を受け取っている。そういうものは排除して、ポジティブなエネルギーをもらいたいと思っているもの」
日本の女子単トップランカーの日比野菜緒も、恒常的にヘイトメッセージやコメントにさらされている一人。つい先日、全仏予選の決勝で逆転負けを喫した時にも、ソーシャルメディアには多くの不愉快なコメントが書き込まれたという。それだけに、「さっそくアプリを使ってみようと思います」と言った。
「負けた後は特に、すごい数が来ますね。もう耐性ができているので、さほど気にはしないですが、見て気持ちいいものではないです」
現状をそう語る日比野は、時に、それらヘイトメッセージを“さらす”ことで、同胞たちに注意喚起もしている。
「私は、(奈良)くるみちゃんや(土居)美咲ちゃんから、そういうメッセージを送ってくるのは賭けをしている人だから気にしなくていいよと教わりましたが、知らずにいきなり見たら驚くと思います。私のところに来るヘイトメッセージを公開することで、それを見て『こういう目に合うのは自分だけじゃないんだ、大したことじゃないんだ』って思う選手がいれば、それはそれで良いかなと思います」
アプリを用いてコメントにフィルターをかけるのは、確かに選手の精神的負担を軽減するだろう。ただそれはあくまで弥縫策で、抜本的な解決策ではない。ヘイトメッセージ対策を講じるその一方で、ATP(男子プロテニス協会)は大手スポーツベッティング会社とスポンサー契約を締結している。八百長を持ち掛けられ、加担したため出場禁止等の処分を受ける選手も後を絶たない。
FFTの試みは、いかなる成果を発揮するのか? 他の大会の追随等も含め、今後の動きに期待したい。
取材・文●内田暁
【PHOTO】日比野菜緒はじめ世界で戦う日本人女子テニスプレーヤーたち!
「本当に? 知らなかったけれど、それは素晴らしいアイディアね!」
その存在を知ったジャバーは、「ぜひ使いたい。だって私、たくさん(ヘイトメッセージを)受け取っているから」と苦笑いを浮かべて、こう続けた。
「私たちがよく話すのは、私たちは賭けを許されていないけれど、“賭けられる”側にはなり、そのせいでヘイトメッセージや脅迫を受け取っている。そういうものは排除して、ポジティブなエネルギーをもらいたいと思っているもの」
日本の女子単トップランカーの日比野菜緒も、恒常的にヘイトメッセージやコメントにさらされている一人。つい先日、全仏予選の決勝で逆転負けを喫した時にも、ソーシャルメディアには多くの不愉快なコメントが書き込まれたという。それだけに、「さっそくアプリを使ってみようと思います」と言った。
「負けた後は特に、すごい数が来ますね。もう耐性ができているので、さほど気にはしないですが、見て気持ちいいものではないです」
現状をそう語る日比野は、時に、それらヘイトメッセージを“さらす”ことで、同胞たちに注意喚起もしている。
「私は、(奈良)くるみちゃんや(土居)美咲ちゃんから、そういうメッセージを送ってくるのは賭けをしている人だから気にしなくていいよと教わりましたが、知らずにいきなり見たら驚くと思います。私のところに来るヘイトメッセージを公開することで、それを見て『こういう目に合うのは自分だけじゃないんだ、大したことじゃないんだ』って思う選手がいれば、それはそれで良いかなと思います」
アプリを用いてコメントにフィルターをかけるのは、確かに選手の精神的負担を軽減するだろう。ただそれはあくまで弥縫策で、抜本的な解決策ではない。ヘイトメッセージ対策を講じるその一方で、ATP(男子プロテニス協会)は大手スポーツベッティング会社とスポンサー契約を締結している。八百長を持ち掛けられ、加担したため出場禁止等の処分を受ける選手も後を絶たない。
FFTの試みは、いかなる成果を発揮するのか? 他の大会の追随等も含め、今後の動きに期待したい。
取材・文●内田暁
【PHOTO】日比野菜緒はじめ世界で戦う日本人女子テニスプレーヤーたち!