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海外テニス

【全仏オープンテニス】ダニエル太郎が世界1位アルカラスと今夜対戦!「何かをできるチャンスは全然あると思って入る」<SMASH>

内田暁

2023.05.31

今季は世界4位のC・ルードや同15位のA・ズベレフら上位勢を破っているダニエルが果たして若き王者アルカラスを相手にどんな戦いを見せるのか…。(C)Getty Images

今季は世界4位のC・ルードや同15位のA・ズベレフら上位勢を破っているダニエルが果たして若き王者アルカラスを相手にどんな戦いを見せるのか…。(C)Getty Images

 当時のコーチのスベン・グローネフェルトがダニエルに求めたのは、ベースラインから下がらず、フォアで攻めるテニス。
 
「今の時代、守りのテニスでは勝てない。太郎には身長がある。リーチもある。もっと攻められる」というのが、名伯楽の見立てだった。

 その教えは「攻めるテニスを教わってこなかった」というダニエルにとって、頭では理解できても、身体で表現するのは困難だった。ただ、実際にアルカラスを筆頭とする新時代の波に触れ、ある種の危機感とともに、変わらなくてはと認識する。

 心技体全ての改革に取り組んだ末に、かつて弱点だったサービスは、常時200キロを超えるようになった。ポジションを高く保ち、フォアハンドで相手を左右に振り回し、ボレーで決めるポイントパターンも修得した。

 今季、世界4位のキャスパー・ルードや、15位のアレクサンダー・ズベレフからもぎ取った勝利も、それら進化したテニスの果実。

 今回の全仏初戦でも、今季好調のクリストファー・オコネルに6-0、6-2、6-4で完勝。なお、この日の勝利はダニエルにとり、6年ぶりの全仏オープン白星であった。
 
 先に見据えるアルカラスとの再戦を、2年前の初対戦に投影するように、ダニエルは言う。

「2年前に対戦した時の大会で、彼は優勝して初めてトップ100入りした。それが今は、世界1位。すごく早いなと思うけれど、彼のレベルはその時と今と、多分そこまでは変わっていない。もちろん彼は成長しているけれど、僕も成長している。何かをできるチャンスは全然あると思いながら、入らなきゃいけない試合だと思う」

 その口調には、2年の年月がもたらした物への、矜持と自信が色濃く滲む。

「それこそ、全仏で初戦を勝った2017年の僕と、今の僕が対戦したら、1セットも落とさず勝つだろうと思います」とも、ダニエルは断言した。

 急速に変容する男子テニスの勢力図の中で、30歳のダニエルは、自身の現在地をどこに記すのか?

 それを知る戦いは、現地時間31日午後(日本時間同日深夜)、センターコート“フィリップ・シャトリエ”で幕を切る。

現地取材・文●内田暁

【画像】全仏オープン2023で奮闘するダニエル太郎、アルカラスら男子選手たちの厳選写真!
 
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