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海外テニス

WTAと女子車いすテニスの共催は“世界初”!ジャパンOP決勝を戦った上地結衣と田中愛美がそれぞれの思いを語る<SMASH>

内田暁

2023.09.24

ジャパンOPでベスト4入りを果たした本玉。試合の前でもしっかりウェイトトレーニングをしてフィジカルを強化しているという。(C)Getty Images

ジャパンOPでベスト4入りを果たした本玉。試合の前でもしっかりウェイトトレーニングをしてフィジカルを強化しているという。(C)Getty Images

 WTAとの共催による観客の増加は、選手たちのモチベーションを上げ、日ごろの海外遠征等とはまた異なる緊張感や使命感を各々の心に植え付けた。

 加えて、日ごろはあまり接する機会のない一般の選手たちとの交流も、一つの利点だったようだ。

 田中とペアを組みダブルスを制した筑波大学出身の船水梓緒里は、こんなエピソードを明かしてくれた。

「筑波大では、本玉(真唯)選手は“フィジカルモンスターだ”として有名だったんです。一つ上の先輩に、子どもの頃に本玉さんと同じテニスクラブに通っていた方がいて、その先輩から常に、本玉さんのフィジカルはすごいと聞いていたんです」

 果たして、今大会で実際に試合前の本玉の姿を見て、船水は驚いたという。
 
「ジムで、本玉さんの朝のアップを見ていたのですが、めちゃくちゃウェイトしていて。これから試合なのに、あんなに下半身にプレッシャーかけてやるんだと驚きました。車いすテニスではそこまで試合前にやることもないし、だからこそ本玉さんは強いんだなというのも、間近で見て感じました」

 今大会の本玉は、シングルスでベスト4進出。このような目からの情報を取り入れ、互いに刺激を受けられるのも、共催が生むかけがえのないケミカルだ。

 女子ジャパンオープンの開催は、コロナ禍を挟み今回が4年ぶり。それも靭テニスセンターで行われるのは9年ぶりとあり、知名度や浸透度が十分でなかった感は否めない。

 ただその価値は、参戦選手や会場に足を運んだファンたちは、確かに実感しただろう。優勝してなお不本意そうだった上地の表情が、そして準優勝で流した田中の涙が、今後の日本テニス界の進路を指す道標となるはずだ。

取材・文●内田暁

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