ダブルスで177位の松井俊英は、「ダブルスに集中して100位を切りたいし、グランドスラムにも出たいです。できれば固定ペアでいきたいけど、なかなかいない」。固定ペアで練習ができれば目標実現が近づいてくる。

　内山靖崇のコーチ、テレビ解説に自身のプレーと色々なことに取り組んでいる鈴木貴男は、「１つ１つの受けた仕事を確実に、許す限りのことをやっていきたい」と、多方面で活躍しそうだ。

　彼らが出場した今年のHEAT JAPANは、個人戦のセッションに分かれていた昨年までとは違い、団体戦のポイント制となった。選手がレッドとブルーチームに分かれ、取得ゲーム数で勝敗を決する。

　まるで計算されたかのように、最期の試合の前で42対42の同点。すべては、西岡（レッド）対伊藤（ブルー）の試合にかかった。お互いに引かないスリルある試合内容だったが、１ブレークした西岡が勝利し、レッドチームの勝ちが決まった。西岡は、「めちゃめちゃ緊張しました。2日間トータルでの勝利だし、第１回目の勝利は特別なものがあると思うのでうれしいです」と喜んだ。

　このエキジビションは、プロ同士の試合の他にも、一般プレーヤーがプロに挑戦するエキジビションダブルスが行なわれる。松井／関口組に挑んだ中村文子さんは、「プロとプレーできたと自慢できます」と笑顔。安岡洋子さんは、プロのサービスをコート上で体験し、「目がついていきませんでした。見えなかった」と、驚いていた。
  　ダブルスで最も注目を集めたのは、佐藤朱（AKB48 チーム8）／添田vs島田晴香／西岡のミックスダブルスだろう。島田が見事にボレーを決めたかと思えば、佐藤が西岡とロングラリーを繰り広げた。ミックスダブルスが初めてという添田は、そのラリーを見守っており、客席から「豪くん頑張れ」と励まされる事態に。

　インターハイ出場の実力を存分に披露した佐藤は、「もっとラリーしていたかった」と本人も満喫した様子。西岡は「最後はフォアをガチ目で打ったけど返ってくるし、めちゃめちゃうまかったです」と絶賛していた。

　今までとフォーマットを変えた今年は、選手たちの個性も際立ち、満席の客席も盛り上がっていた。テニスファンにとっては、2019年最後の楽しいテニス観戦になっただろう。

取材・文●赤松恵珠子（スマッシュ編集部）

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