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国内テニス

「何も聞かない選手は何も得られない」。地方からプロになる方法を、斉藤貴史が伝授

スマッシュ編集部

2019.12.21

故郷の石川県津幡町で開催した「地域活性化プロジェクト」の講演会で話をした斉藤貴史。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

故郷の石川県津幡町で開催した「地域活性化プロジェクト」の講演会で話をした斉藤貴史。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 石川県津幡町というテニスが盛んとはいえない地域からプロになった斉藤貴史。斉藤の後は、石川県からプロは生まれていない。テニスをする環境に恵まれていないジュニアに向けて、『地域活性化プロジェクト』の講演会でプロになる方法を伝授した。その内容をお伝えしよう。

   ◆   ◆   ◆

 プロなるにはまず、日本でトップになる必要があります。それ以前に地域のトップ、県のトップです。僕たちもいきなりプロになったわけではありません。まずは目の前の敵を倒すことから頑張ってほしいと思います。

 石川県だと試合も少ないしライバルも少ない。だから僕は本当にたくさん試合をしに行きました。京都、大阪にはよく行ったし、千葉や東京にも。それは親に感謝です。地元で練習するのも大事だけど、外に行って、強い人と、どんどん試合をして自分の経験にしてほしい。

 中学生になると色々な人に会います。そういう時に、人にたくさん聞くことが大事です。僕はコーチに「外に行ったらなんでもよく聞いて来い。後ろでモジモジしていたら成長しないから」と言われました。僕は素直な子だったので(笑)、修造チャレンジでは、前に出てプレーしたし、色々聞きました。何も聞かない選手は何も得られません。
 
 色々な人に聞くと、様々なことを言われて混乱する時があります。そういう時は、全てを鵜吞みにするのではなく、地元に帰ってから信頼できるコーチに聞くこと。言われたことを伝えれば、コーチはその人が何を言いたいかがわかるので、「それはこういうことだと思う」と言ってくれるはずです。

 次は「ハングリー精神」について。自分の環境が恵まれていないとは思いませんが、僕よりうまい練習相手はいないし、ハードコートもあまりなく、冬は体育館での練習。でも、それを嘆いたことはありません。自分にない物を羨んでほしくない。今ある中で一生懸命やること。その姿勢が結果につながるし、得られるものがあります。

 最後に、「人に導いてもらう」こと。僕がプロになれたのは皆のお陰です。人に導いてもらってここまでこられました。自分と家族だけで頑張るのではなく、色々な人の力を借りながら目指してほしいと思います。

 今は自分がプロになったので、僕の結果や活動を見て参考にしてほしいと思うし、何かあったら協力しようと思っています。先輩の姿を見て頑張ってください。

構成●スマッシュ編集部

【PHOTO】西岡、斉藤、沼尻3人のプロが石川県津幡町で一般プレーヤーにレッスン&打ち合いをする充実のイベント!!

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