これらを日常的にプレーする一般の愛好家が手にする機会はなかなかないと思うが、比較的入手しやすいものもある。

“ポール・マッカートニーの娘”という紹介がもはや必要でない活躍を見せるファッションデザイナーのステラ・マッカートニー。彼女がデザインした『アディダス バイ ステラ マッカートニー テニス』はテニスファンならばご存知のことだろう。これまではレディースだけだったが、2019年にはメンズラインも発表された。

　その時々のアディダスと契約する看板選手が着用し、2019年、女子はいずれも4大大会優勝経験を持つアンジェリーク・ケルバー、キャロライン・ウォズニアッキ、ガルビネ・ムグルサ。男子はATPファイナルズで初出場・初優勝したステファノス・チチパスをはじめ、アレクサンダー・ズベレフ、ドミニク・ティームと次代のNo.1を狙う選手たちが身につけている。
  　また、アディダスはファッションデザイナーとコラボしたブランディングにも熱心で、先のラグビー・ワールドカップのニュージーランド代表“オールブラックス”のユニフォームを手がけたことで話題になった山本耀司とのコラボレーション商品を数多く展開している。

　2015年には『アディダス　“ローラン・ギャロス コレクション by Y-3”』のウェアとシューズを発売し、実際に全仏オープンでジョー・ウィルフリード・ツォンガ、アナ・イバノビッチ、大会のボールボーイ＆ボールガールがこれらを着用した。

　これからの季節、プレーする機会は減るかもしれないが、来春に着るウェアへ思いを馳せたり、家族や恋人へのプレゼントとして考えてみたり、ファッションの視点からテニスを楽しんでみるのも一興かもしれない。

文●甘利隆
著者プロフィール／東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter：ama_super

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