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国内テニス

既にWTAランカーが誕生!JWT50の杉山愛が大会新設から1年以上経った今、実感していること<SMASH>

内田暁

2024.06.27

「最初の頃は選手たちと少し距離があった」と振り返る杉山氏。しかし、「大会を重ねる中で交流が深まり、今では選手からJWTメンバーに話を聞きに来るのが当たり前の雰囲気になった」という。(C)JWT50

「最初の頃は選手たちと少し距離があった」と振り返る杉山氏。しかし、「大会を重ねる中で交流が深まり、今では選手からJWTメンバーに話を聞きに来るのが当たり前の雰囲気になった」という。(C)JWT50

 大会新設から1年以上が経ち、計9大会を終えた時点で、杉山氏はその成果を次のように口にした。

「やはり私たちの大会の特徴として、14歳から20歳までが出場できる、ワイルドカード選手権が挙げられます。その年代の選手たちはランキングポイントを取ることが難しく、W15の大会でも出場することすら困難です。そのような若い選手たちに、予選6枠、本戦4枠を与えられるのは、自分たちで作った大会だからこそ。その点が大きいと思います」
 
 そうして大会を重ねる中で、若い選手たちへの意思伝達や交流も深まったと感じている。

「最初の頃は、選手たちと我々との距離も少しありましたし、私たちが試合を見ていても、そんなに選手たちから話を聞きに来ることがなかったんです。でも、特に昨年の札幌くらいで長時間一緒に過ごすなかで、距離がグッと縮まった。そこからは、本当に選手からJWTメンバーに話を聞きに来るのが当たり前の雰囲気になりました」

 そうした会話の中で伝えてきたことは、テニスの技術面等の指南に留まらない。杉山氏が、こう続ける。
 
「ジュニアの子たちは、出る大会がたくさんあります。ITFジュニア(国際テニス連盟公認のジュニアの国際大会)もあれば、中高体連の試合もある。自分が何を目指すかによって選択が変わってくる中で、プロとして世界で戦うための一番の近道は、やはり、ITF W15大会でポイントを取り、世界ランキングを得てスタートすることだと思います。そこで通用すれば、スポンサーなど道が開けてくる。

 でもそうでなければ、こういう道もあるよねと提示していくことも、やっています。例えばW15の大会には、ITFジュニアランキング上位者の特別出場枠があります。その存在を知っていれば、ITFジュニア大会に出てランキングをあげることも、選択肢に入ってきますよね」

 実際に、6月中旬に開催された東京大会では、それぞれの順路を歩む選手たちの足跡が、せわしなく交錯した。

 現在15歳の沢代榎音は、東京大会には前述のジュニア枠で出場した。沢代は昨夏、札幌のJWT50大会に3週連続で出場すると、以降はITFジュニア大会を中心に転戦。今年4月にジュニアランキング88位を記録し、ジュニア枠が活用できるレベルまで到達した。
 
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