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国内テニス

【伊達公子】JWT50が設立した1.5万ドル6大会を終えて。密に接したからこその収穫<SMASH>

伊達公子

2023.11.17

「悩みに直面している最中に話を聞く」ことができたと言う伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

「悩みに直面している最中に話を聞く」ことができたと言う伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 2022年に「一般社団法人 Japan Women’s Tennis Top50 Club(以下JWT50)」を設立し、今年ITFテニスツアー1.5万ドルを6大会開催することができました。大会中も変えた方がいいと思うことは、話し合ってどんどん変更していきましたし、スピード感を持ってやりきることができました。6大会を通して、見えてきたことや感じたことを、シェアしたいと思います。

 JWT50としては本気で世界を目指すジュニアにメンタリングを行なっていくことを考えていました。大会を開催することで、世界に近づくために必要な要素を大会会場という場で伝えられたことが一番大きな収穫でした。

 悩みを抱えていた場合、普通の時にアドバイスを聞くのと、実際にその悩みに直面している最中に話を聞くのとでは、違いがあります。理解度というか、ストーンと自分の中で納得できるという感じでしょうか。大会会場で、ジュニアとそういう機会を持てたのは大きなことでした。
 
 大会会場では、JWT50のメンバーが現役時代に当然のように行なってきたことを、噛み砕いて説明しました。ITFの大会に出場するために必要になる「IPIN」の登録、ラッキールーザーやワイルドカード(WC)についてや、ウィズドローしたらどうなるかなど。私たちの時代とルールが変わっていることもあるため、現状を調べながら最新情報を伝えました(笑)。

 3度言っても忘れてしまったり、前日にデッドラインを知らせても遅れるジュニアもいました。この大会は本当にスタートのスタートなので、日本で失敗して気付けたなら良かったと言えるでしょう。お金をかけて海外に行って失敗を経験しただけではもったいなさすぎるので。

 私たちにとっては、知っていて当然と思っていたことを知らないなど、実際の状態を把握できる良い機会となりました。ジュニアにとっても、大会会場に来て練習をして試合してコートで戦うだけではなく、色々なことにアンテナを張って、神経を使って試合に臨まなくてはいけないということが、わかってきたと思います。現段階で、全部を実行できなかったとしてもいいんです。頭の片隅に残っているだけでも、有意義な時間となったのではないでしょうか。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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