開催地関連でもうひとつ話題となったのは、ブリスベンのグループステージが、WTAの大会と同時期に同会場で行われたことである。ブリスベンには、地元オーストラリアやセルビア、フランス、カナダなど人気チームが集い、そしてATPカップの試合は全て、センターコートで行なわれた。このためWTAのブリスベン国際は、1回戦は全て外のコートに追いやられる形となったのだ。
その事態は当然ながら、女子選手たちの不興を買う。カロリーナ・プリスコワは「男女でスケジュールをずらすべきだと思う」と言い、マリア・シャラポワは「まるで女子の試合は、ATPカップのお下がりのような扱い」と、一層痛切に批判した。
母国での試合をセンターコートで戦えなかったサマンサ・ストサーも、「やや失礼だ」と主張した一人。ストサーはこの件に関して、テニスオーストラリアのクレイグ・タイリーCEOと、直接、話をしたという。さらにその際に彼女は、タイリーから“WTAカップ”の構想を聞かされた。
ストサーはそのアイディアを、「とてもエキサイティング」だと歓迎し、大坂なおみも「私はチーム戦も好きよ」と好意的に捉えている様子。だが、ブリスベン国際優勝者のプリスコワは、「確かに面白いかもしれないけれど、私は今のままがいい」と、反対の旗幟を鮮明にした。
選手評議会会長のジョコビッチは、WTAカップとの共催も視野に入れつつ、ATPやITF、そして新デビスカップの運営主であるコスモス社とも、今後話し合いを持っていくつもりだという。
2020年という新たな十年紀を迎え、テニス界そのものが、大きな転換期を迎えようとしている。
文●内田暁
その事態は当然ながら、女子選手たちの不興を買う。カロリーナ・プリスコワは「男女でスケジュールをずらすべきだと思う」と言い、マリア・シャラポワは「まるで女子の試合は、ATPカップのお下がりのような扱い」と、一層痛切に批判した。
母国での試合をセンターコートで戦えなかったサマンサ・ストサーも、「やや失礼だ」と主張した一人。ストサーはこの件に関して、テニスオーストラリアのクレイグ・タイリーCEOと、直接、話をしたという。さらにその際に彼女は、タイリーから“WTAカップ”の構想を聞かされた。
ストサーはそのアイディアを、「とてもエキサイティング」だと歓迎し、大坂なおみも「私はチーム戦も好きよ」と好意的に捉えている様子。だが、ブリスベン国際優勝者のプリスコワは、「確かに面白いかもしれないけれど、私は今のままがいい」と、反対の旗幟を鮮明にした。
選手評議会会長のジョコビッチは、WTAカップとの共催も視野に入れつつ、ATPやITF、そして新デビスカップの運営主であるコスモス社とも、今後話し合いを持っていくつもりだという。
2020年という新たな十年紀を迎え、テニス界そのものが、大きな転換期を迎えようとしている。
文●内田暁