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国内テニス

日本テニスのホープ、18歳の坂本怜がプロ転向!「錦織選手にもらった夢を、今度は僕が子どもたちに与えたい」<SMASH>

内田暁

2024.09.20

先のデビスカップではサポートメンバーとしてチームに帯同した坂本(中央)。目標とする錦織圭(左)の勝利を間近で目にし刺激を受けた。右は西岡良仁。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

先のデビスカップではサポートメンバーとしてチームに帯同した坂本(中央)。目標とする錦織圭(左)の勝利を間近で目にし刺激を受けた。右は西岡良仁。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 もっとも坂本自身、まだまだプロとアマチュアの差を感じ、その部分の適応に戸惑いを覚えているとも言う。

「プロとジュニアの両方の試合に出て、まず違うのは、メンタルだなと感じた。ジュニアの方が、テニスは奇麗だったり、うまかったりするんです。でも、それをさせないプロの経験や嫌らしさに苦戦している状況です」

 そしてこの差異こそが、盛田氏が「懸念している点」だとも言う。

「ジュニアは純粋な自分の力の出し合い。でもプロというのは、それだけではない。お金もかかっている中で、“相手を弱くする”こともしてくる。彼(坂本)のテニスの技術は、心配していません。ただ、プロはアマチュアにはない厳しさがある。そのなかで彼が、耐えて自分の特徴を伸ばしていけるか?」

 盛田氏は、坂本に信頼と優しいまなざしを向けながらも、厳しい言葉も忘れなかった。
 
 そのプロの世界で坂本は、「僕のプレーを見た人が笑顔になったり、前向きな気持ちになったり、そういう影響を与えられる選手になりたい」と宣言する。そのような“プロテニスプレーヤー像”を彼に与えてくれたのは、他ならぬ錦織だ。

「僕が錦織選手にもらった夢を、今度は、僕が子どもたちに与えられる選手になりたい」というのは、坂本が数年前から口にしてきた大きな夢だ。

 そんな坂本のプロデビュー戦は、9月23日から予選、25日から本戦が開幕する木下グループジャパンオープン。シングルスでは、「主催者推薦枠」を得て予選から出場する。

 そしてダブルスでは、本戦からの出場が確定した。パートナーは、錦織圭。

 夢の原点である偉大な先達と共に、より大きな夢の実現に向けて、大器・坂本怜が歩み始める。

坂本怜(Rei SAKAMOTO)
2006年6月24日生まれ、愛知県名古屋市出身。6歳からテニスを始め、2022年2月より拠点をフロリダ州IMGアカデミーに移し腕を磨く。24年全豪ジュニア男子シングルス優勝、全米ジュニア男子ダブルス優勝。195センチの長身を生かした攻撃的なテニスが武器。

取材・文●内田暁

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