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海外テニス

錦織圭、インディアンウェルズ初戦に向け意気込み!「モヤモヤは、ここらで勝って、晴らしたいなと思います」<SMASH>

内田暁

2025.03.05

香港の準優勝でランキングを上げたことで全豪以降は過密日程となった錦織だが、3週間程のインターバルを経て、また新たな戦いへと挑む(写真は2月のダラス大会)。(C)Getty Images

香港の準優勝でランキングを上げたことで全豪以降は過密日程となった錦織だが、3週間程のインターバルを経て、また新たな戦いへと挑む(写真は2月のダラス大会)。(C)Getty Images

 もっともこの過密スケジュールは、既定路線ではなかったようだ。

「ちょっと窮屈なスケジュールになっちゃいましたね、デ杯に出たことで。ダラスも本当は出ない予定だったんですが、香港で勝ってポイントが取れたので、急に(ランキングが上がり)本戦に入れちゃったので出たんです。もちろん、試合数をこなすことは今一番大事ではありますが、香港で良いテニスして、そこから疲れもあり全豪ではちょっと身体がもたなくて――。デルレイビーチでも痛みがあり、なんかフルでプレーできなかったので」

 その、本人曰く「ボロボロだった状態」を経て、今の調子は上昇中。会場では、過去に幾度も試合や練習を重ねてきた、盟友的存在のダビド・ゴファンとも充実の練習ができたという。

「この2週間しっかりトレーニングして、テニスはここに入ってから良くなってきた。多少、光は見えてきたかなと。彼(ゴファン)とは、久しぶりに練習しましたね。彼や僕みたいな、早い展開でプレーする選手は今そんなに多くないので、なんか懐かしさも感じたし。ゴファンのプレーにも、これならまだまだいけるだろうなという、強さも感じました」

 1歳年少の元世界7位に対して感じた、「まだまだいける」の見解――、それはそのまま自分への評価であり、エールでもあるのだろう。

 以前は、「プロ何年目」や「30歳」など数字でキャリアを区切られることに無頓着だった錦織も、「35歳は、やっぱりこたえますね」と、柔らかく苦笑いした。
 
「どちらかというと、過去よりも出口の方が先に見えてくる。若い頃とは違った意味での焦りがあるし、なんか以前とは違う感情は色々出てきますよね。でも、これが最後の数年だとしても楽しまないといけないし、結果が出なくても、このプロセスを楽しまないといけない。負けている時も、勝っている時も、自分のメンタルの保ち方とか、そこら辺をうまくやりたいなと思います」

 残された時間を自覚しつつ、今この瞬間を慈しむように敗戦をも受け止める。とはいえ、無類の負けず嫌いを自認する彼にとって、勝利こそが最高の「楽しみ」なのも、また厳然たる事実だろう。

 過去2大会は、疲労と身体の痛みもあり、全力でのプレーができなかったという。だからこそ今大会の初戦を控えて、彼は言った。

「そこら辺のモヤモヤは、ここらで勝って、晴らしたいなと思います」

現地取材・文●内田暁

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