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海外テニス

「BNPパリバ・オープン」予選突破の綿貫陽介、本戦1回戦では元世界17位を撃破!躍進の陰にレジェンドコーチの存在あり<SMASH>

内田暁

2025.03.07

「今季、カムバックするために新しい何かが欲しい」と考える綿貫にとってフェレイラ氏(右)の存在は大きな力となりそうだ。(C)Getty Images

「今季、カムバックするために新しい何かが欲しい」と考える綿貫にとってフェレイラ氏(右)の存在は大きな力となりそうだ。(C)Getty Images

 その名将との出会いの契機は、2年前のティアフォーとの対戦。

「マイアミでティアフォーと試合をした時、彼(フェレイラ)が試合を見ている雰囲気などが、すごく良いなと思ったんです。その後、ティアフォーと話す機会が少し増えた時にも、優しく見守るというか、すごく心強い存在だろうなって感じていたんです」

 その頃からフェレイラの動向にも気を配り、日本ナショナルチームの伝手を頼って、本人と直接コンタクトを取るに至った。綿貫の「今季、カムバックするために新しい何かが欲しい」という情熱が、レジェンドコーチにも伝わったのだろう。トライアルとして今大会の直前に合流すると、早くも「本当にたくさん教えてもらっている」と綿貫は言った。

「技術面では、サーブとフォアハンドに今は一番フォーカスしています。あと、僕の場合はアップダウンが大きいので、良い時間を継続できるようにすることも課題です」

 そのために、綿貫がコーチにも伝えているのが「気持ちの面でのサポートをしてほしい」ということ。そしてコーチから言われているのが、「ポジティブであること」だという。言葉にすれば、実にシンプル。ただ、全面的な信頼を寄せるコーチから言われた時、同じ言葉でも持つ重みは変わってくる。

「今大会の予選も含めて、ポジティブでいることの大きさを感じています。どんな状況でも前向きでいれば、やっぱり見ているお客さんにも伝わると思うんです。常にポジティブにチャレンジしている選手の方が応援したくなると思いますし、僕自身もつらくない。
 
 コーチも、そういうところにすごくフォーカスしてますし、僕も尊敬できる方にそういう部分を見てほしかった。いつも言われている『STAY POSITIVE』を心掛けています」

 そのフェレイラとのトライアルは、当面「マイアミ・オープン」(3月19日~30日)まで。ただ、どちらからということもなく、ごく自然に先々のスケジュールの話もしているという。早々に結果も出ている中で、継続は既定路線の模様。綿貫自身も、現在の充実感と今後への希望を言葉にする。

「インディアンウェルズでは勝ったことがなかったので、まさか今回、こんなに勝てると思ってなかった。本当にこのレベルでできるのがすごく楽しいので、できるだけ長くここにステイしたいし、素晴らしい観客もいるなか、新しいコーチもつけてテニス以外にも素敵な時間を過ごせています」

 その時間を続けるためにも2回戦では、ツアー優勝したばかりの、トマーシュ・マハーチュ(同20位/チェコ)から勝利をつかみ取りにいく。

現地取材・文●内田暁

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